エイデン

ブリザード 凍える秘密のエイデンのレビュー・感想・評価

ブリザード 凍える秘密(2014年製作の映画)
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1988年
17歳の女子高生キャットは、行方も告げず母イブがいなくなってしまったことを温厚な父ブロックから告げられる
ブロックは呆然としながらも、帰ってくるはずだと待ち続けるが、その夜になってもイブが帰ってくることはなかった
その日キャットは、吹雪の中 積もった雪に抱かれながらイブが裸で寝転がっている夢を見る
幽霊のようなイブの顔に、キャットは見覚えがあった
実はイブはブロックに酷く不満を持っており、時折キャットにそれをこぼしていたのだ
イブは翌日になっても帰ってこず、ブロックは警察に失踪届けを出す
担当刑事のテオに、失踪者の手がかりを探す方法を聞くブロックとキャット
しかしイブの裏の顔を知るキャットは、夫に愛想を尽かして出て行っただけではないかと冷静にそれを捉えていた
それでもキャットを心配するブロックは、カウンセリングを受けることを勧め、仕方なくキャットは精神分析医セイラーの元に通い、自分の母の生活を振り返るようになる
キャットは隣人であり恋人のフィルにも相談しながら、普段通りの生活を取り戻していくが、やがて消えた母の存在はキャットの夢となって現れ始める



アメリカ、フランス製作のサスペンス・ドラマ

母の失踪と少女の成長をアーティスティックに描いた作品
ただアート映画にありがちな難解さと、それを伝えきれてない部分はあるような印象

円満に見えた家庭の母の裏の顔というと、エヴァ・グリーンが演じてるし悪女っぽく聞こえてしまうけど、その実 愛を求めるが故ということでそれがテーマのようにも見える

ここからはネタバレしないようなギリギリで書くけど、
愛情を注がれず凍りついた心を持つ母と、知らず知らず愛情を求めて彷徨う娘
対比として見れば皮肉も感じるし、浅ましくも見えてしまう
そしてそれを象徴するのがラスト
煽り文句に従ってミステリーとして観ちゃうと、ぶっちゃけ肩透かしものの滑稽なオチなんだけど、
その笑っちゃうようなバカバカしいっていう感情がまさしく全てで、あれだけ愛を求めていながら相手も同じだったっていうのは、本当に笑っちゃうしかないわけで
でも笑われた方は本気の愛を嘲笑されたようなもので・・・

求めるものは同じなのにスレ違っていく悲しさと滑稽さは、分かりにくさはあるけどウエッとくるものもある
どちらかといえば分かりにくさが勝ってるのが残念だけど、苦い失恋とか経験してる人には映画のらしさが刺さりそうなのでオススメ
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