「頭の中に爆弾が⁉︎」
ボルガ博士お許し下さい‼︎
↓あらすじ
突如現れた巨大な円盤。円盤から放たれ電磁パルスにより電子機器は機能停止。大津波を引き起こし沿岸部は無人化。新種ウイルスを撒き散らし壊滅的打撃。更には人間を自在にコントロールし人類殲滅の駒にする。見た目では判別出来ない「アザーズ」(宇宙人)に生き残った人々は疑心暗鬼に陥る。そこに空軍の救助が現れ、子供達を安全な空軍基地へと輸送、来るべき「フィフスウェイブ」に備えて子供達に軍事訓練を施すが…
・概要
なるべく安上がりで楽な地球侵略のやり方を描いた宇宙人向けの教材映画。懐具合が寂しいけど、地球を試しに侵略してみたい宇宙人は参考にしてみてはいかがだろうか…等と宇宙の彼方に宣伝するのは程々にして地球人向けに宣伝しておかねばらならない。宇宙人が地球侵略に来る王道のSF映画なのだがアザーズと呼ばれる宇宙人が一度も姿を現さない邪道なSF映画である(一応出てくるが地球人の姿形をしているのでALIEN…ありえん) 宇宙船から出てこないぐうたら宇宙人どもが帝国主義時代の英国みたいなやり方で地球侵略を進めて行く過程はズル賢い。だけど事務的侵略は視聴者からしたら手抜きで退屈で、題名にもなっている「フィフスウェイブ」の全貌が途中で見え見えで全く驚かない。地球人にはオススメ出来ないので、地球侵略を視野に入れた宇宙人に是非ともオススメしたい。
・5段腹の恐怖
アザーズの戦略は5段階に分かれているが果たして5段階も居るだろうか。電磁パルスで電子機器を使えなくするだけでも十分地球文明は機能しなくなり侵略し易い。情報社会は便利だが遮断されたら血が行かなくなり壊死するのは容易い。全く抵抗出来なくなったところで洗脳するなりすればあっさりと侵略は果たせるのではないか。4段階までは描写がざっくりしていて、どうやら5段階(フィフスウェイブ)が目玉なのだ予想出来る。ただ徐々に徐々にハードルを上げた割には最後に受ける衝撃は薄く(空振りと言ってもいい)もう少し4段階までの過程を掘り下げた方が良かったのではないか。4段階まで終わった後のフィフスウェイブまでの待機時間が観ていてだるくて脱落者が出てもおかしくない。空軍基地の軍事訓練のシーンは子供の職場体験のようで微笑ましいが、自分が何を観ているのか分からなくなり、ピーナッツバターを塗りたくったトーストを2枚用意して間にトンカツを挟んで食べなければ理性が保てなくなる。主人公の女の子にしても、宇宙人がどこにいるのか分からないのに素性の知れない男にすんなり信用して、挙句はほの字になるロマンスを勝手におっ始めるから、やはりピーナッツバターを塗りたくったトースト2枚を重ねて間にフライドチキンをサンドしたコレステロールの塊を摂取せねば発狂しかねない。何とか閉幕してディスプレイにヘッドバンキングしたい衝動と戦っている頃には、激太り、3段腹がわずか数時間で5段腹になると言う超常現象に遭遇し「成る程、これが、フィフスウェイブ(5段腹)‼︎これこそ今作が伝えたかったメッセージか‼︎ 」と理解に到達した次第である(どうかこの智(恥)者に拍手喝采を)
・GACKT出陣
大戦末期にGACKTが出陣した事実は本作と全く関係がないが、空軍基地に集められ軍事訓練を強いられた学徒達はある意味本作の敗因である(演技力を強いるのは酷かも知れないがガクトは魅力的である) 彼らは子供故に無垢で人を疑う事を知らないのかもしれないが余りにも盲目的だと思う。戦闘は軍人の仕事なのだから子供達は守られて当然なのに空軍基地の軍人達はろくに戦わないし、こともあろうに子供達に軍事訓練を強いている。常識的に考えて子供達がたいして戦力になるとも思えないし、大人が積極的に子供に危ない目に遭わせるのはおかしい。おかしいのに子供達は素直に軍人の命令を聞いて活き活きと訓練をこなしている。人の面をした宇宙人が直ぐ隣にいるかも分からない状況で見ず知らずの大人達を信頼するものだろうか。自由の国なのだから少しは疑う子供達がいてもおかしくない、凄く不自然で不気味だった。逆に子供達の面の下に宇宙人の顔があるのかと深読み効果もあるが、それはさて置きスムーズに子供達の洗脳が進むのに違和感がある。初めての戦場で実弾を使い、侵略者達を葬った時も少しもショックが現れなかった(学徒の正体はGACKTだった…？)胡散臭さ全開の軍人達(メンタル最近の子供達よりも軍人達の悲しい演技力が最大の敗因かもしれない)と従順過ぎる子供達のお陰で難なくフィフスウェイブの謎に辿り着けるが、本作の核心があっさりと突き止められて衝撃が薄くなってしまう残念な効果が起きてしまう始末。侵略映画として観ると派手なアクションも驚異のクリーチャーも出ずじまいで微妙な出来。地球侵略を考えている宇宙人の参考書としては役立つ。
