マーチ

ストレイト・アウタ・コンプトンのマーチのレビュー・感想・評価

3.8
【下半期鑑賞映画寸評:2017】
《POISON》

正直「N.W.A.」のことは何一つ知らなかったんだけど、凄い熱量で訴えかけてくるこの作品に圧倒されました…

「N.W.A.」結成からその終焉までを丁寧に描き切っていると同時に、音楽業界の暗部をあぶり出していたり、当時の社会状況やその問題点を実話ならではの緊張感をもって描写しているので、ちょっとした恐怖すら感じました。

メンバー間の確執とかプロデューサーの不正とかはよく耳にする話ではあるんだけれど、実際映像で観てみると結構生々しいなと感じるし、一概に「N.W.A.」のメンバーの姿勢や考え方等のプライベートな部分に関しては同調出来ないにしても、音楽的な部分に関しては本当に素晴らしい人たちだと思う。

つくづく表現の自由だったり、言論の自由だったりを抑圧していることにウンザリしていて、その勝手な配慮や忖度でもっと面白くなる筈のものがそう成り得ていないことを憂いてるからこそ比較的規制の緩い映画に没頭しているという個人的な想いがあるだけに、この作品で当時彼らが身近に感じていた差別や弾圧を言葉延いては歌を武器にして社会に殴り込み、結果ヒットし、今尚様々なアーティストに影響を与え続けていると思うと、この映画が作られた意味を痛烈に感じるし、音楽伝記映画として「N.W.A.」に焦点を当てた人に感謝したいとさえ思う。

だからほんとに「言いたい事も言えないこんな世の中じゃ POISON」だし、「俺は俺をだますことなく生きてゆく 」べきだよね〜〜って凄く感じます!! 劇中でドレーが「俺は俺のボスでありたい」ってドープなセリフも言ってた訳だし…

結論としては日本の「N.W.A.」は意外にも「反町隆史」なんじゃないの?!っていうことと、「POISON」という曲が日本にあって良かったよね👍っていうことでーす!笑

ラストに流れる実話お決まりの実録映像パートは滅茶苦茶かっこいいし、影響を与えたアーティストとして今の時代知らない人はいないレベルの「エミネム」とか「ケンドリック・ラマー」とかが出てきて一言発しているので「N.W.A.」のギャングスターラップ先駆者としての偉大さや凄さがより明確に理解出来たということもあり、かなり良いエンディングだな〜と思った次第でありました。

余談ですが、アイス・キューブ役の人は本人の息子さんだそうです。アイス・キューブやドクター・ドレーは本作に携わっているようで、だからこそのリアルさも多々感じられましたよ!!

それにしても享年31歳は早過ぎますね…死に早いも遅いも無いのでしょうが、ヤンチャしつつも真実を訴え続け、メンバー間のいざこざを乗り越えてまた再び光が差し込んできたところで直面する現実…神様は残酷だなと感じます。

とりあえず警察署の前とか交番の前通る時には「F**k the Police」脳内再生しときますね〜 笑
別に何の恨みも無いから理不尽か…なら「POISON」で我慢します!笑


【p.s.】
下半期に突入しましたが、上半期鑑賞映画のレビューをまだ消化しきれていないため、下半期鑑賞映画も一部は寸評で投稿していきます。

いつもとは違い、極々短いレビューで投稿しています。暇があれば付け加える予定です。

従って、いつもの【映画情報】等もカットさせていただきます。

*詳しくは2017年7月3日に投稿している《『ローン・サバイバー』評》内の【p.s.】をご参照下さい。
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