ピト

オデッセイのピトのレビュー・感想・評価

オデッセイ(2015年製作の映画)
4.0
火星にたった一人取り残されて、ここまで前向きでいられるだろうか?
決して諦めない事の大切さを明るいタッチで描いた歌わないミュージカル映画。とても面白かったです。


かつて私も一人取り残された事がある。

場所は火星ではなくダイエーだが、小学校低学年の私には火星より遠く思えた。
お兄ちゃんとその友人達と、遠くのダイエーに自転車で遊びに来て、いつの間にか置き去りにされてしまったのだ。

マットデーモンならいざ知らず、こちらは寺田心くんと同い年の小学生。
しかも寺田心くんほどの知能も快活さも持ち合わせておらず、よく吠えるチワワレベルの生命力しかない。
火星に取り残されたチワワが自力で帰還する並みのミッションだ。

通信手段の途絶えた火星でチワワがとれる唯一の手段は吠える事しかない。
すなわち狂ったように泣く事だ。
これによりNASA(警備員)との接触に成功した私は、更に強い電波を送信(狂ったように泣き叫ぶ)する事で、なんと宇宙船(パトカー)の確保まで完了したのだ。

ここまで来れば後は地球に向けての軌道に乗るだけだが、ひとつ大事なことを思い出した。

火星まで乗ってきたロケット(自転車)の存在を忘れていたのだ。

NASAのクルー(おまわりさん)は宇宙船(パトカー)のトランクに積み込みんでの打ち上げを提案してきた。
自転車置き場に宇宙船(パトカー)を横付けし、ロケット(自転車)を回収するクルー達。

トランクからはみ出したロケット(自転車)をクルー達がロープで固定している最中に、私はとんでもないモノを発見してしまった。


お兄ちゃん達のロケット(自転車)だ…


無情にも打ち上げのカウントダウンが告げられる。
3・2・1 ! 発射!


4人の若きマットデーモンを残して宇宙船は飛び去った…


マットデーモンは私ではなかった。
私がマットデーモンを置き去りにしたのだった…

その後帰還したマットデーモンがジェイソンボーンと化したのは言うまでもないだろう。
ピト

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