Kuri

パレードへようこそのKuriのレビュー・感想・評価

パレードへようこそ(2014年製作の映画)
4.3
炭鉱閉鎖映画、といえば
イギリス産コメディの傑作"フルモンティ"を思いだすのですが
この作品も本当に素晴らしい!

ハッキリとした主役はいないように思いますが、
はじまりとおわりで大きな役割を担うことで話の中心にいるマークの行動力、まず一歩踏み出して物事を引っ張っていく力がこの物語も引っ張っていきます。

でもさ、それだけじゃ彼らが憎んだサッチャー=強いリーダーこそが素晴らしいという話になってしまうのだけど、
そこにこの映画は止まらないんです。

事実を基にした作品なので
時代の流れには逆らえずに、彼らは負けて、マークは失意のまま仲間と別れてしまいます。
非凡な発想と行動力を持った彼ならばつぎの一歩を軽やかに踏み出していくものだと思うのですが、彼はかえってくる。
ひとりの力より、団結が大きな力になると彼は知っているから。
そして、
彼らの行動から拡がった波紋が
徐々に、彼らの想像をはるか超えて
世界をも変えていくのです。
これに熱くならずにいられるか。

2時間の間、ずっと笑えて不意に泣けて、心の中で拳を突き上げて、一緒に合唱してる気分でいられる。
あー、素晴らしい作品です。
Kuri

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