僕が映画館で観た映画の中で1番すすり泣きが聞こえてきました。僕は2回泣きました。
もしもこの映画を猫好き御用達映画だと思って観ないのなら、そんなにもったいないことはないですよ。人生の映画なのに。
主人公が自分と同じ姿の悪魔から余命1日である事を告げられ、「何かをこの世界から消すこと」で余命を1日伸ばせることも告げられる。
電話、映画、時計、そして、猫。
悪魔は言うんです。「この世の中はなくてもいい物だらけじゃないか。」と。自分の命に比べたら大したことないじゃないか。
もちろん、正論です。正論を振りかざして追い詰めるのが悪魔ですから。
でも、この「何か」は主人公の人生を語る上で決して欠かすことのできない物たち。
で、その消えた「何か」に関する世の中の記憶も消えてしまう。だから、「何か」きっかけで出会った人は主人公の事を忘れてしまう。
そして、最後、天秤にかけるんです。自分自身の命と、他人の中に生き続ける自分という記憶とを。
これこそ、人生。
個人的に、濱田岳演じる、映画オタクたつやのシーン、そして、原田美枝子演じる母の手紙のシーンで涙腺崩壊しました。
あと、とにかく、奥田瑛二がズルいです。ズルいとしか言えないです。観た人全員思うはずです。奥田瑛二はズルい。
