だいち

世界から猫が消えたならのだいちのレビュー・感想・評価

世界から猫が消えたなら(2015年製作の映画)
4.1
消えたとしても、生きていく。

何回か見ている映画にはふと見たくなる瞬間があると思う。それは、その時の自分の状況に応じて、やってくるもの。不思議な縁でまた自分の目の前に広がる世界。

世界から自分の大切なものが1日ずつ消えていく。昨日と同じ今日、同じであろう明日ではなく、大切な今日1日を生きていく。劇中の「生きてやる」という言葉には、力強さと同時に寂しさも感じる。たとえ大切なものを失っても生きている人は生きていかなきゃならないのだから。

穏やかな展開に似合う絵作り。原田さんの優しくて柔らかな声がすぅっと胸に入ってくる。この瞬間ではなくふとした時にこの映画を思い返すと、ふと優しい気持ちになれる。世界は多くの物で溢れ、それが多くの人を繋いでくれていると。

劇中の中でお父さんの感情がはっきりと出てくる2シーン。あのシーンたちはどれも素晴らしかったです。


170423レビュー

世界から愛が消えたなら❗

1度目は、映画館で観て、思わずウルリとした作品。
少しグレーがかったトーンに、ゆったりとした音楽、役者さんたちの暖かさ、人柄、まるで写真のような完成された構図。

自分の一日分の命と引き換えに、世界から何かが消えていくー
失って初めて気づくことのほうが、人は多いだろうけど、劇中の「生きてやる」という台詞に力強さを感じる。

エンディングの曲も声が透き通りながらの心にズシンとくる重さがあって、好き。

浜辺でのシーンは、素朴。なのに頭にずっと残っていきそうな綺麗さ。
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