久々に凄い映画を見た。
今更感はありますが、セッションのレビューをします。
セッションとは、若きドラマー ニーマンと、鬼教官フレッチャーによるモノだとラストわかる。
チャーリー・パーカーのシンバル投げの話が冒頭に語られ、そしてそれが実は伏線だと後半わかる。
同時にフレッチャーが、ニーマンに何故あそこまで厳しかったのかも同時にわかる。非常に上手くスマートな伏線の回収。
確かに現状維持で満足してしまうと、更なる高みへは到達できない部分はある。
ストーリーの展開は非常にわかりやすく、比較的読める展開ではあるが、それでも熱すぎる。
ラストのライブで、ニーマンとフレッチャーの過去の確執、ニーマンがある事情でベストな演奏を出来なかった過去に対するリベンジ
全てがステージ上で、ニーマンのドラムとフレッチャーの指揮その2つだけでものの見事に消化(昇華)され、カタルシスを生んでいく。
ただまあ、他のバンドメンバーにしたら迷惑極まりない二人ではあるが、そこが冒頭に言った【セッション】であるので仕方ないw
ニーマンはアレからどうなったのか?
身勝手な理由で別れた昔の彼女(彼氏持ち)とはどうなったのか?
そんな事はどうでもいい!!!
ただ目をひん剥いて、耳かっぽじって見るべし、聴くべし!!!
何故ならこれは、二人のセッションなのだから。
補足すると、チャーリー・パーカーとは楽譜に囚われないアドリブを入れる自由な演奏法 つまりBEBOPを生み出した偉大なジャズサックス奏者。マイルス・デイヴィスもチャーリー・パーカーの弟子である。
本作を見る前にチャーリー・パーカーを聴いたり、調べるとよりわかりやすいかも。
正直本作はジャズを銘打つ割には、楽譜やテンポに対して神経質過ぎる部分が強いため、ジャズの精神面でいえば【ジャズらしさが欠如している】と思っていた。その割にチャーリー・パーカーの話が出たりしていた為、矛盾も感じていた
しかし、ラストのライブは紛れもなく【ジャズそのもの】だった。
ある種、8Mileと同じ構造の映画かもしれない。
ドラム映画といえば、ドラムラインと比較したくなるが、ドラムラインが孤高の天才なら、セッションは【努力の天才】
更にジャズが好きになりました。
ありがとうセッション