ninjiro

セッションのninjiroのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
4.5
俺は今決めたんだ。
音楽を、あいつを、丸ごと呑み込んでやる。


いいか?
貴様のお袋が親父の上に乗ってブタのように喘いでた時、
親父の凡庸なマラの先から吹き出した1億匹の出来損ない共がお袋の身体に流れる汚いドブ川を必死に遡っている時、
俺の指は既に音楽の神に捧げる音色を奏でていた。
貴様のようなヘナチョコの若造が、知ったような気になっていっちょ前にドラムなんぞ叩いてる姿は滑稽でしょうがない。
腐ったサーカスの猿でも見ているような気分だよ。

貴様の叩くリズムは惨めなババアの小便がバケツに滴る音だ。
テンポもアクセントもあったもんじゃない。
なんでもクソみたいに垂れ流せば良いってもんじゃない。
ケツの穴に太いのを突っ込まれ過ぎたか?このオカマ。
俺に認められたとでも思ったか?
一流づらして家族に自慢でもしたか?
次は俺にカマでも掘って欲しいとでも?
貴様の貧乏長屋の薄汚いベッドに俺を誘うつもりか?
そんなくだらんことでマスを掻いてる暇があるなら、せめてその悲惨なリズムがまともに聴けるようになるまで叩き続けろ、このマヌケめ。

いいか?「whiplash」125小節目から。5・6…

…なんだ?
叩いてる最中に家をおん出たお袋にフェラされる夢でも見たか?
それともチビリすぎてオムツが重くなったのか?
貴様のその脚がヨタってるのに気付かないのか?
いいか?俺は100分の1秒だって聞き逃さない。
俺はお前らのような甘ったれたクソガキがこの俺に歯向かうのを許さない。
貴様の様な甘い夢をみる砂糖たっぷりのお菓子坊やに、挫折という絶望、本当の地獄を教えてやる…


狂気とエゴ、欲望と野心、血と汗の応酬。
響く怒号の中に織り込められた愛は存在しない。
あるのは互いに剥き身の刃を構えたヒリヒリとした対峙と、ただ「血肉をもって音を鳴らす」という行為。

最初はたまたま得意だったから。
親父が喜んでくれるのが嬉しかった。
ドラムが、音楽が、本当に好きだったのか、
それすら忘れて夢中になって、ひたすら時間を、血を、汗を、命を、あらゆる犠牲を、捧げ続けた。

音楽の神のためにと注がれる愛、
だが、それを喰らうのはいつも
心の中の悪魔なのかも知れない。

綺麗ごとばかりじゃない。
才能が全てでもない。
努力で報われない事があるのも学んだ。

でも結果、残ったものがある。

そいつで俺は、闘うんだ。






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誤解を呼びそうなので一応追記します。
この本文に書かれたセリフらしき文言は、
映画からの引用ではなく、飽くまでイメージです。
似た様なニュアンスの言葉は沢山出てきますが、
本編にはこれらのセリフは一切出てきません。
汚い言葉でのお目汚し、大変申し訳ありません。
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