MARUKO

セッションのMARUKOのネタバレレビュー・内容・結末

セッション(2014年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

血の滲む努力。というより無我夢中。
ドラムにとりつかれた青年が真っ直ぐにただドラムと向き合い、教授が鬼となり駆り立てる。
緊張感と疾走感に胸の鼓動が自然と高まる。
そしてエンディングのデイミアン節が炸裂したとき、思わずため息が出る。

ドラムにとことん自信があり高慢。その性格ゆえにコロコロ転がすフレッチャー。
有名教師に認められたと思わせて、トップクラスで洗礼を浴びせるフレッチャー。
トラブルでチャンスをつかみ、自信を過剰に持ち我が物顔でドラムを叩く。それを見透かしたように、ライバルをはいどうぞ。操るフレッチャー。

ニーマンの性格、才能、ドラム愛を読み取り、上手く彼を成長させていく。その指導は鬼才。
事故でドラムが叩けない状態でも絶対に自分のパートは譲らない意地。かつての偉人たちが持っていただろう意地。彼らの歩んだ道をまさに歩いているかのように思えた。

ニーマンのキャラクターがドラムの迫力とマッチして狂気を増す。加えて鬼フレッチャー。熱い!!
罵倒しかしてこないフレッチャーが嫌いだったのに、実は信頼している。
フレッチャーも“こいつを育てたい”。
二人の目に見えない関係性を巧みに描く。
ニーマンのドラムに対する熱を象徴するように、フツフツと静かにバックで唸るドラム。さらにテンポのいいカットがバシバシッときまり、作品の雰囲気をもり立てる。

そして自分史上最高クラスのラスト。
それは静かに始まる。
“スカウトは一度見た奴を忘れない”。
ならここで魅せてしまえ!と言わんばかりに魅せる魅せる!フレッチャーが笑う!!ゾクゾクする!!!
音楽を愛した不釣り合いの二人が共鳴するのではない、ぶつかることでお互いが高まり合い最高の“セッション”を奏でる。

ああ、興奮した。
もっともっと書きたいが長くなるのでこの辺で…
MARUKO

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