三畳

セッションの三畳のレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
2.5
音楽をスポーツ的アプローチでものにしようとする。圧倒的な力関係やあらゆる手で外側から圧をかける、本質とはかけ離れた指導のやり口。
たしかに「音楽は楽しいもの」なんて幻想って思うことはある。たしかに誰にも到達できない高みまで登りつめて常人には見えない景色が見えるかもしれない、でもそんなのほんの狭い一端に過ぎず、多くの人間にとっては真理でもなんでもないよ。
それで救われた本人と、罵声で気持ち良くなってるのは教官だけ。

そう、たしかに痛い思いをしてる瞬間気持ち良くなっちゃうことはある。
表現のための心の豊かさを育み、解き放つプロセスは人それぞれで、ストレスや苦行によってしかそれができないタイプの人は不幸だったんだと思う。
また別の主人公であれば恋の喜びから名作を生み出していたかもしれないわけで。絶望を燃料に名作を生んでくれた偉人には感謝したい。

フォローしてる人のレビューも見事に評価が二分されてて、そのどちらにも共感できることはあるけど、個人的な音楽観に照らして言えば400が正確に叩けるとか血が出ても諦めないとかどうでもいい、躍起になって些細な一点にハマることもあるけど我に帰ると自分の音楽は全く違うところにある、良かった。
三畳

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