ハル

アバター:ウェイ・オブ・ウォーターのハルのレビュー・感想・評価

3.4
やっとこさ席が空いてきたのでIMAXレーザー3Dにて参戦。
こんなにも混んでいて席が取れない作品は滅多にない為、やっぱり“アバター”の人気は凄いなぁと改めて実感。
人気はね。

世界観はそのままに前回の正統派続編というスタイル、登場人物達もパートワンの面々が半分くらいかな。
まぁ、概要はこの辺りで内容について早速触れていくのだが…正直、インパクトは前作とあまり変わらなかった。
というよりも映像が桁違いなのはもう学んでしまっている為「うん、既定路線の想定通りだね!」となってしまう。
これは僕が公開当時に前作をスルーしていて、最近デジタルリマスター版を見てしまった影響が色濃く出ているのかもしれない。

グラフィック面は世界最高峰で間違いなく他の追随を許さないクオリティー。
惑星パンドラの自然、文化、人。
全てを完璧なまでに再構築している。
あらゆるメディアに取り上げられるほどの、究極の映像美。
これこそアバター最大の武器だが『ジェームズ・キャメロン』曰くパート3まではすでに撮り終えてるらしく、その3作目が世に出るまでは、その部分で今作を超える作品はでないだろう。

でも、それだけ。
例えば果てしなく美しいプラネタリウムがあったとしても、3時間半近くいると流石に飽きない?
ホーンテッドマンションやカリブの海賊など体験型アトラクションの時間が同じくらいあったらどうだろう?(例えがオールドタイプw)
とはいえ感じ方は人それぞれだし、没入して最後まで集中力を継続できる方は絶対的に楽しめちゃうはず。
一方で『ストーリーの中身は並かそれ以下じゃない?』や『全てを描くために本来不要な部分も付け足して冗長にしているだけでは?』と疑問符が頭に浮かんでしまう僕みたいな天邪鬼タイプには…
とてもとてもとて〜も長く感じる作品。

スカイピープルとの全面戦争でパヤカンが海中から大打撃を与えて、形勢逆転!!「ヤヤヤヤヤヤヤヤ!」(闘争時の雄叫びこんな感じだったよね?)のテンションそのままに終わりたいんだよね。
最近では『RRR』があるし、名作シリーズとしては『ジェイソン・ボーン』や『ジョン・ウィック』など実写で途轍もない動きを見せつけている作品群がいくつもあるわけで、あの大規模バトルの後にCGのそれなりアクションを見せられても尻すぼみ感が強くなってしまう。

ジェームズ・キャメロンが本質的に描きたいのは家族愛、だからこそ帰結していくのはわかるけど、中々に厳しく感じてしまった。
そんな形でアバターシリーズはもうお腹いっぱい、次作はもういいかなと悟れた所でフィニッシュ。

なお、数分間メガネを外し鑑賞してみたりもしたが、3Dに強いこだわりがなければ2Dで十分に感じた。
いや、むしろそちらのほうが楽しめる(3Dで外すと当然ながら映像はブレる)
理由はあの眼鏡をかけると映像が暗くなるから。
明かりの鮮明さや色の違いをはっきり認識するにはかけないほうが良い。
美しく抜けるようなエメラルドグリーンがダークグリーンのようなくすんだ色になってしまい…夕陽の美しさもそのまま見たほうが幻想的で温かみを感じられた。
こうした理由から個人的には2Dがお勧め。
自分自身、3Dマスト作品と言われている『アバター』で不要に感じてしまったのは決定的、今後はどの作品も全て2D思考になりました。

ただ、こんな形で本編はハマらなかったけど…実は思いの外に楽しめた時間も。
それは上映前予告。
“ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE”がヤバ過ぎる!
「今回は過去最高に危険なスタントだ、バイクで崖から飛び降りるんだ!僕はこれに憧れていたんだよ」
ハリウッド史に残るスターであり、今なお現役のレジェンドのトム様だが…
本当に失礼ながら「頭イカれてるのかな?」と思ってしまった(笑)
人生を生きてきて、崖から飛び降りる事に憧れたことあります??
ウォームアップがてら飛んでみるわ!と軽口たたき、いきなりヘリコプターのドアを開けて一人で飛び降りちゃうスタントモンスター。
もうこの人には躊躇や戸惑いの感情はないのだろうか。
短い時間ながら、『この作品は絶対劇場へ来て鑑賞しなければ!』そう誓わせるだけの強烈な引力を感じさせてくれたので、予告が一番楽しめちゃう珍しい鑑賞回となりました。
ハル

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