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96時間 レクイエムのしゃにむのレビュー・感想・評価

96時間 レクイエム(2015年製作の映画)
2.5
地震・雷・火事・リーアム

96時間…リーアム・ニーソンが地球を木っ端微塵に破壊するのに要する最短時間を指す。娘が誘拐されるなどの一定条件を満たせば、彼が瞬きする間に破壊するのも可能である(俺辞苑より引用 一部脚色)

大厄災再び。例によって荒人神リーアム・ニーソンが無上の慈愛を込めて片っ端から悪党どもに天罰を下すディザスター映画第3作目。学習するのが人間の最大の幸福ならば学習しないのが最大の不幸です。いったい何度リーアム氏を怒らせたら気が済むんだ。

むかしの賢者は「リーアムの顔も3度まで」と言いました。さすがに3回目ともなると、人間の「慣れ」が効いて新鮮さを感じ取るのが困難になります。人間ではリーアム氏を滅ぼすことは物理的に不可能です。かの鉄人シュワ氏が滅んだのは溶鉱炉に自ら沈んだ例や悪魔サタンを倒すべく命を賭した例に限ります。であるからして、シュワ氏同様真っ当な人間がリーアム氏を破壊(?)するのは不可能です。神業。だから観ていて不安とは無縁でいられます。極楽浄土にいるような心地でリーアム氏が容赦なく正義の鉄槌を下す様を見守るのが正解。つまり何も考えるな!です。

ストーリーは奇をてらったような印象を受けました。前作までは「追跡者」の立場だったのが今作では「逃亡者」の立場に変わります。娘が誘拐されてメンヘラ・ラブスキルが発動して戦闘力がアップするような胸アツ展開は無いようです。今までは無敵の王者ライオンにちょっかいをかけたウサギをライオンが追い回しウサギが苦しみもがく展開に面白みを感じたわけで、逆にウサギがライオンを追い回すとなると…なんだか微妙です。有らぬ嫌疑をかけられて真犯人を見つけ出すってストーリーは市販で売ってますよね。二番煎じ感が否めない。まーリーアム印の作品にストーリー性を求めるのはお門違いと言うべきものですが。スカッとしたら大正解。


ブライアンはそれなりに妻と娘と良好な関係性を保っていました。自分には意外性が無いと娘に言われたことを気にして、中国の山奥でとっ捕まえたパンダを剥製にして娘にサプライズプレゼント(正確には市販のぬいぐるみです)良きパパでしたが…


<<突然の死>>

え?((((;゚Д゚)))))))


バ、バ、バンナソカナ…ツッコミどころしかない今シリーズ最大のツッコミどころに出くわしました。強引なフェードアウトに気を取られてストーリーが全然頭に入りません。いくらマンネリを回避する為でもそれはあんまりだ…個人的にはあまり割り切れない展開でした。天罰ムービーだからしのごの言わず無双ぶりを観てれば良いのですが(゜ヮ゜)

リーアム氏を銃を構えた警官たちが取り囲む(そんな装備で大丈夫か?)

「違う、オレじゃない!」

素手で警官たちを昇天させます。違うなら何故ボコるんですかねぇ…(震え)

今作はあまり荒ぶらず慈悲深い印象でしたね。あっさり捕まってパトカーに連行されたのは中には超人的怪力を有するバケモノが後部座席に座る場合もあるから気をつけろ、という有り難い教訓を授ける為のレッスンです。有り難や有り難や。で、常用者をコンマ数秒で失神させてパトカーを奪取した挙句にパトカー数台を大破させたのは悪魔的ドライビングテクを有するバケモノを追跡する場合があることを警察諸氏にレクチャーする慈悲深い行為です。リーアム氏ほど人間に親身になってくださる神はいませんね。

しかし愛情の差別?に疑問でした。家族なんだから平等に愛するものでは?娘ラブ精神がゴリゴリ押し出されて嫁さんラブ精神が見えません。違う、そうじゃないんだ。レクイエムはコレジャナイ感が正直な感想です。

不死身のリーアム氏が唯一ダメージを受けたのは娘がある重大な秘密を打ち明けた時。やけに血なまぐさい赤飯を炊きそうです。そう言えば彼氏の姿が見えないぞ…(震え)

意外と展開は読めるのでストーリー性に期待するのは間違いかも。性懲りも無くリーアム氏の怒りを買う悪党どもの悲惨な結末を目撃して我が振りを治しましょう。

終わりは果たして来るのか…?終わりは来なくても良いですけどね。願わくは「筋肉アカデミー」ことエクスペンタブルズに加入して頂きたいところですが(゚∀゚)
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