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誰でもない女のひでGのレビュー・感想・評価

誰でもない女(2012年製作の映画)
3.9
夏休みの自由研究

「レーベンスポルン」ウキペディアから引用

ナチによるドイツ民族の人口減少と「純血性」の確保の目的で設立された施設。
「生命の泉」ともいう。強制収容所の対照

戦争の激化で出生率が激減した戦中のドイツで、人口政策的な目的で作られた施設。

ナチスはノルウェー人をより純粋なアーリア人とみなし、ナチス男性とノルウェー女性の結合を進めた。その子供の施設がノルウェーには10カ所。8000人いたそうだ。

戦後、ノルウェー政府は、その女性や子供を公的に迫害した。


この制度、この歴史を、本作を観るまで全く知らなかった。

映画はある意味、教科書である。

知らなかったこと、歴史の裏側を
そこに直にいた人々の感情とともに教えてくれる。

非常に重い、重いテーマの作品です。

挿入される主人公カトリーネの衝撃の過去

タイトル「誰でもない女」

観終わった後、このタイトルの深く、辛い意味に、思いをはせる。

映画としては、あまりにも厳しすぎて、
観ていて、どんどん辛くなっていく。

戦争は、終わっても終わらないのだ!

そのことを、おりしも、8月6日、広島原爆投下の日考えている朝

考え方や捉え方は人それぞれだが、
今、朝から晩まで流させている五輪。

日本や日本選手を応援するのはいいとして、
そこに他者や他国へのリスペクトはあるだろうか、、

「さすが、日本人のメンタリティはすごい!」みたいな伝え方はないだろうか、、

それらは、この作品のもとになっている、かつての人類の失敗、「純血性」に繋がってしまうかもしれない。
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