ドント

工場の出口のドントのレビュー・感想・評価

工場の出口(1895年製作の映画)
3.6
1895年。工場の大きな扉が開いて、中から働き手とおぼしき人々がゾロゾロ出てくる。女の人が多いが、男性も混ざっている。中に戻る人もいる。犬が出てきたりするし、馬車が登場したりもする。以上。46秒。
一見、終業直後の工場の出口をただ撮っただけに見える一本だが、よく考えたら1分も撮れないような当時のカメラを据え付けてじ~っと待っているわけがない。これはきちんと計画されて撮った“作品”なのだ。
動画カメラが完成して最初期に撮られた本作は、「どこにカメラを置くか」「どこからどこまでを撮るか」「出演者たちにどう指示をするか(カメラに向かって歩いてくる人が一人もいない!)」が考え抜かれて撮られている。もうすでに思想と工夫とエンタメ精神が詰まっている。
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