JunIwaoka

わかってもらえないのJunIwaokaのレビュー・感想・評価

わかってもらえない(2014年製作の映画)
4.5
2014.10.31 @ 27th TIFF
(英題:Misunderstood)

向日葵にとって太陽のように、子供にとって親の愛情は必要不可欠な栄養素であって、十分に受けるとまっすぐな人に育つと聞いたことがある。だから子供が愛情を求めることは当たり前のはずなのに、自分本位な両親に振り回され、理解されずに否定されると、永遠に埋めることのできない孤独を心に抱えてしまう。そんなことを知るよしもない9歳のアリアは、明るい色彩を夢見て、ただ実直に、ただ健気に心の拠り所を求める。期待することはときに辛いことで、ホームパーティのシーンは見るに堪えない。それでも、どんなに辛いことがあっても、同情してもらいたい訳じゃないといい、無垢な瞳で見つめるアリアを、手が届くことはできないにしても抱きしめてあげたかったな。

フランソワ・トリュフォーの"大人は判ってくれない"は未見なのでどのくらいこの映画が意識しているかわからないけど、両親に振り回される悲劇を子供目線で描くところは"メイジーの知ったこと"に似ている。しかしアリアの直向きな姿に哀れむことはできずに、まるで自分のことを元気づけるように負けるなよって励ましていた。観終わったあとは心ぽっかり。帰り道、思い出して泣いてしまった。
JunIwaoka

JunIwaoka