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ルイの9番目の人生のRyuのネタバレレビュー・内容・結末

ルイの9番目の人生(2015年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

思ってたよりかはミステリーな感じの作品でした。ミステリーなのですが、ファンタジー要素もあってそれもなんだかフワフワとした気持ちになったりもするし、親子の愛を色んな形ではありますが、感じれるヒューマンドラマともとれる珍しいタイプの作品だと思いました。オチに関しては、多少の予想はできてしまいました。なんと言ってもお母さんの魔性の女感が強すぎる。美しい顔立ち、巻いたブロンドヘア、真っ赤な口紅。この妖艶さ、完全にファム・ファタールですね(笑)。お父さんに疑いの目を持っていこうとするような展開でしたが、それでもお母さんのへの疑念がずっと残った状態でした。なので、衝撃の結末って感じまではならなかったです。劇中でも言及されてましたが、このお母さんもルイをちゃんと愛していて、その愛情が方向を間違ったのだと思います。ルイを愛する以上に悲劇のヒロインとなる自分を愛していたんでしょうね。その分、お父さんのルイに対する愛情はまっすぐなものだったので、お父さんが離れるのはルイも相当寂しかったでしょうね。上手くいかない両親のもとで生活していたルイが昏睡状態の方が、居心地が良さそうにしてるのもなんか悲しいです。ちょっと浮いてる印象だったファンタジー部分もラストに感動というか物悲しさというか、ジーンとくる感情を抱かしてくれるイイ素材だったと思いました。最後に目を覚ましたルイのこれからの人生を考えると、「同情なんかしないでよ」と言われても同情してしまいます。コレといった一つのジャンルには絞られないですが、ちゃんと纏まった仕上がりになっていると思える作品でした。
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