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ナイトクローラーのsmithmouseのレビュー・感想・評価

ナイトクローラー(2014年製作の映画)
3.9
このタイトルを見たとき「Xメン」のスピンオフだと思った人間が自分以外にもいると信じたい(´Д` )。
他人の不幸は蜜の味。
ではその蜜をせっせと集める働き蜂はどんな奴だ( ̄ー ̄ )?

「”本物に見える偽の証拠”」

競争、希少性、需給等衝撃映像にも市場原理があることがまざまざ描かれてて目が離せない!サクセスストーリーの側面もあり次第に主人公のルーの応援をしている自分がいた。
しかし、カメラマンの集めてきた映像を素材として加工しニュースを”作り出す”現場を見せられると、改めて情報の収集ではなく取捨選択こそ重要だと考えさせられた。
ワイドショーで美味しいと騒がれて信じて行ったお店が美味しくなかったりするのもあくまで信じやすい自分が悪い(−_−;)。

夜の映像が多いし全く近しい友人や恋人の存在が無いので冷たく硬質な印象を受ける、そんな中、貼りついた様な表情しか見せない一方でキビキビとエネルギッシュに動くギレンホールの爬虫類みたいに熱を感じない演技が気持ち悪くも惹かれる。
その冷たい情熱とフレームが溶けたかのように感化されていく周囲の姿と常識人(善人ではなく全くの小物の意味で)の助手とのコントラストでこの映画の異常性は際立ってたし、肌も粟立った。

ギレンホール出演の映画は今のところ自分にとってハズレが無い!
「複製された男」も期待出来るかな(・_・;)?
不幸の現場に現れては叫び声を上げるではなく無言で撮影していく現代のバンシーの映画。
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