まっどまっくすこーじ

ナイトクローラーのまっどまっくすこーじのレビュー・感想・評価

ナイトクローラー(2014年製作の映画)
4.8
ヤバイぞ…こりゃヤバイ!!
ジェイク・ギレンホールがヤバすぎる!!


自分を売り込んでもコソ泥は雇わないと言われてしまうルイス(ジェイク・ギレンホール)だが、決して上昇志向と野心を失うことはない。
学歴がなくてもネットで過去の成功者に学び、自己啓発に余念がない。

ある夜に交通事故の現場に遭遇したルイスは、そこで事故現場の様子を撮っているパパラッチを見て、自分もパパラッチになってビジネスをしようと思い立つ。

少しずつテレビ局に自分が撮った映像が使われるようになって、助手を雇うまでになっていく。

車も今までの古いトヨタのターセルからダッジ・チャレンジャーの新車にレベルアップさせる。

ある事件の現場に警察より先に乗り込んだルイスは、そこで特ダネのために一線を越えてしまう…


ルイスを演じるギレンホールのアプローチは見事という他ない。
野心ギラつくルイスのキャラクターを作るため、ギレンホールは12㎏の減量と夜は起きて昼に眠る生活を続けたらしい。

その結果、飢えたハイエナのようなオーラを放っているギレンホール。
特にその眼は時として狂気を孕んで睥睨し、時として冥界からの使者のように凍えさせる。

個人的にふと、思い浮かべたのはタクシードライバーのトラヴィス。
あのデニーロに匹敵するかも知れない…

助手のリック役のリズ・アーメッドの演技もギレンホールの足を引っ張ることなく、才能の高さを感じた。

監督はこれが長編映画初監督のダン・ギルロイ。
初監督とは思えない雰囲気の演出。

この映画には全編に渡り、不穏な空気が充満している。
警察無線が絶えず飛び交う夜のロスアンジェルスの空気がピリピリと肌を刺す。
いつ、何が起こるか分からない不安さで観客に落ち着くことを許さない。
ラストシーンを見終わってもまだ、エンドロールでさえ不穏だった。


私的に感じたのですが、ルイスはアメリカという国のメタファになっている気がします。

学歴がない → 建国してからまだ歴史が浅い
常に強気の交渉術 → 常に強気の外交政策
モラルよりビジネス優先 → 資本主義最優先
等など…

今作は間に合うのなら是非スクリーンでの鑑賞をお勧めいたします!!
出色の出来!!( ☆∀☆)