中野シネマ

スノーデンの中野シネマのレビュー・感想・評価

スノーデン(2016年製作の映画)
4.6
「犯罪者かどうかではなく、監視されてるのです。」

彼は正義なのか、犯罪者なのか。
同世代の男の子が、自分の信条と仕事の役割という凡庸な悪との間で葛藤し、それに打ち克つ意志の強さが、オリバーストーンの映画の主人公の好きなところ。特に最近の作品は。だまって思考を停止させ生きてたら楽なのに。


そうか、ニュースで流れてたのは3年も前の話か。監視を常にされている、情報を常に取られているというのは、すぐに暮らしに直結するものでないからピンと来ない。情報を取られたから何なの?という、そういう積み重ねが感覚をマヒさせてるのかも。しかし、ネットでの発言は監視されている。

人が安全に生きるために監視カメラを設置する。監視と引き換えに自由を得る。よって不自由。

人に携帯電話やパソコン、テレビという情報を取得するのに便利な飴を与え、考えなくて済む環境をコツコツと作り、人間を不感症にするという形のムチを与える。何となく生きてるほうが楽と、立ち上がる意欲を本能から奪い去る仕組みを与える。


知りすぎるのも怖い。
ただ、庶民に届く情報というのは、コントロールしやすくするための、何かしらのフィルターがかかっているな〜とは何となく感じる。スノーデンにも会ったことがない。オバマにもトランプにも会ったことがない。メディアを通して見る姿だけ。メディアリテラシーと言われるが、この世の中でそれは無理があるんじゃないかとも思う。



この映画を見たあとに、知らなすぎる男のビルマーレーを味わいたくなった。知らなすぎるのが幸せか。いや、それが支配者にとって好都合なのか。わからん。このように打っている文章も、誰かが見ている。うまくまとまりませんでした。
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