ミート

スノーデンのミートのレビュー・感想・評価

スノーデン(2016年製作の映画)
5.0
テレビで字幕版を放送していたので再鑑賞。相変わらずスゲェ。オリバー・ストーン監督はこの作品をミュンヘンで撮影。自身も米国で制作しなかったのは当然のことながらNSAの妨害を予想してのことであろうし、資金面でもNSAを怖れるあまりに提供者が現れず、融資にも困難を極めたことは想像に難くない。スノーデンに対する態度が米国内よりはるかに優しいヨーロッパでの制作になったのは当然の流れ...かな。スノーデン自身が告発の媒体として選んだのは英国のガーディアン誌であったのも彼自身よくよく考えてのことだろうし、劇中に出てくる逃亡、すなわちウィキリークスの敏腕弁護士がスノーデンを香港からロシアに逃がしたのも相当ヤバい橋を渡ったに違いない。その頃は香港も中共の脅しに屈していない頃だったもんね。映画の中にドンパチは一切ないけど、冷や汗びっしょりの描写が続いていく。本当に凄い映画。ユダヤ系のジョセフ・ゴードン=レヴィットがスノーデンを演じるのだが、役の作りこみが凄まじくて映画の最後の方でスノーデン自身の映像に変わるのも気づかないくらい(笑)。まあ、スノーデン本人や実際の恋人の方がイケてるのはご愛嬌だけどね。僕自身は戦略や諜報のための技術と言うことを考えると米国は逆に凄いと思ってしまうが、国家による「監視」に対する憎悪と「自由」への渇望が内部告発を成しえたのであろう。ロシアに亡命し匿まわれることになったスノーデンがKGB出身の独裁者プーチンとどのような関りを持っているのかについて興味がわく。モスクワにいる限り文字通り籠の中の鳥であることはスノーデン自身も100%理解している訳で、ロシア側はその存在が核爆弾級の彼を利用し生かしはするであろうが、反抗しない限り殺すこともしないに違いない。我が国はいつまで米国の植民地であり続けるのか嘆かわしいかぎりであるが、困った国になり果てた日本の皆さんに観て頂き、そして「独立」について考えて頂きたいと思うのである。
ミート

ミート