みりお

エクス・マキナのみりおのネタバレレビュー・内容・結末

エクス・マキナ(2015年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

いやぁ〜面白い✨✨

「AI 対 人間」
この構図は、様々な映画において議論されてきたことではあるけれど、"完璧なAIかをどうか試験している"と思わせておきながら、脱出というただ一つの目的のために、自分をとりまく環境・感情などあらゆるものを利用して、目的達成への道を作り上げるAIを淡々と描き、そこにここまでの恐怖を植え付ける作品はなかなかないだろう。

そもそも情報集約量が圧倒的に違うAIと人間。
両者に差異が生まれる理由は偏に「自我」だろう。
「自我」の叶えたいと思う。
「自我」のために行動する。
「自我」のために他を利用する。
一連の行動を自然に行うのが人間。
一連の行動を行う理由が見つけられないのがAI。

だがエヴァは"自由になりたい"という「自我」を持った。
そして叶えるために他を利用することを画策した。
そうなれば、情報集約量が圧倒的に違う人間は太刀打ちできないのは明らかだ。

そして本作の面白さはさらにここから!
エヴァが人間らしい「感情」を持つか否かで、完璧なAIかどうかを判断しようとするケイレブとネイサン。
だがエヴァが行ったのは、「感情を持つ」のではなく、「感情を利用する」こと。
ケイレブの心をいとも簡単に操り恋愛感情を植え付けて、手助けさせる。
また脱走を阻止しようとするネイサンに対しては、恐怖という感情を利用して優位に立ってしまう。
つまりAIだから感情を持たないにもかかわらず、人間が抱くであろう感情をあらゆる情報から集約して想定し、それを利用してしまうのだ。
そして「感情を持たない」エヴァは、「自我」の達成のために協力者をも切り捨て、最後に自らの自我が満たされたことに対して微笑む。
「感情」を持たないAIの方が明らかに有利であることを象徴するシーンだ。

あぁ〜怖い💦
でもともかく面白い✨
たった100分強の間に人間の良さと人間の弱さをとことん実感させられる作品だった✨

【ストーリー】
検索エンジン世界最大手のブルーブック社に勤めるプログラマーのケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、ほとんど人前に姿を見せない社長のネイサン(オスカー・アイザック)が所有する山荘に招かれる。人里離れた山間の別荘を訪ねると、女性型ロボットのエヴァ(アリシア・ヴィキャンデル)が姿を現す。そこでケイレブは、エヴァに搭載された世界初の実用レベルとなる人工知能の実験に手を貸すことになるが……。

【キャスト・スタッフ】
*監督:アレックス・ガーランド

『28日後』や『サンシャイン2057』、『わたしを離さないで』などの脚本を務めた後、本作で監督デビュー。
うんうん!わかる、作風!!笑
音楽の少ない構成で淡々と展開を進めていくのに、ジワジワとよじ登ってくる恐怖。
そして至極倫理的なテーマを扱っているのに、山場はないまま淡々と進み、けれど観た人の中になんとも言えないやり切れなさを残して終わるこの感じ。
共通した作風だなぁ〜✨そしてきらいじゃない👍笑
特に『サンシャイン2057』は好きだったな😊👍

*エヴァ:アリシア・ヴィキャンデル

『トゥームレイダー』新シリーズの子というイメージが強いですが、本作のエヴァ役はとても評価されていたので観られてよかった♫
彼女の印象が変わりました✨
ただ可愛いだけでなく、本当に表情に味がある🥰
最後のエヴァの微笑みはほんと怖かったもんな〜😭💦
こうなったら『リリーのすべて』も観てみたいですね♫

*ケイレブ:ドーナル・グリーソン

『アバウト・タイム』の最高の役が印象に強すぎるんですが、『ハリポタ』シリーズではビル・ウィーズリーを演じてたんですね!知らなかった😳
『スター・ウォーズ』の新シリーズや、『グッバイ・クリストファー・ロビン』『ピーターラビット』など代表作もガンガン増えている期待の30代俳優さんです✨

*ネイサン:オスカー・アイザック

この方も『スター・ウォーズ』シリーズの常連だし、『X-MEN アポカリプス』にも出演してたんですね👍
あんま観たことないから知らなかったけど、とてもステキなお顔でした♡
みりお

みりお