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エクス・マキナのCOLORofCINEMAのネタバレレビュー・内容・結末

エクス・マキナ(2015年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

●不気味の谷を軽々と越えてしまった感(このあたりに近い将来"違和感なく生活に溶けこんでゆくデザインとしてのアンドロイドのかたち"へのヒントが隠されている気がします)があるA.I.エヴァの姿は手塚治虫先生が描いてきたアンドロイドと通じる艶めかしさ。

●シンギュラリティ(特異点)をテーマとした『トランセンデンス』や人工知能ロボットを扱った『チャッピー』そしてクラウドベースの人工知能『her』など、ここ数年多岐にわたって広義な意味でのAIをテーマとした作品が作られている。
『エクス・マキナ』では、いわゆる強い人工知能と弱い人工知能で語られるところの強い人工知能、すなわち意識、知性を持った人工知能アンドロイドが描かれている。
そのAIの元となるのがネイサンが創り上げた企業(BLUE BOOK←わざわざ本作用にtwitterアカウントまであるw)が収集した世界からの検索結果によるディープラーニング。

●ガラス越しに対面して、いろいろと会話を重ねていくうちに次第にエヴァに惹かれていくカレブ。「もしかするとテストされているのは自分では?」という疑問が。さらには本当に自分も生身の人間なのか?実はアンドロイドではないのか?という疑いも持つようになる。
いったいネイサンは何をしたいのか?
常にネイサンの身の回りの世話や食事などを作っているkyokoという女性の正体は?

●とにかく、シンプル。
まず、カレブの務める会社が少し写った以外は全てアイザックの大邸宅の中だけ(ほとんどアメリカの自然公園がすっぽり入ったような巨大さ。ヘリコプターの操縦士に「あと、どれぐらいで着きますか?」の質問に「もう2時間前から敷地内にはいってる」と言われるほど広い。そして、当然のようにスマホなど外界との連絡が取れない)で、物語が展開する。
しかも台詞のある出演者が3人だけ。
Kyoko(前述)という日本人アンドロイドが登場するが台詞はない←これが逆に極めて恐い。途中ネイサンと「Perfumeかよ」とツッコミたくなるほどシンクロ度合いと息もピッタリなダンスを披露するシーンがあるが、これまたコミカルさとはうらはらにゾッとするシーンとなっている。

●スターウォーズ新作に抜擢されているオスカー・アイザックや『アバウトタイム ~愛おしい時間について~』のドーナル・グリーソン、そしてエヴァを演じたアリシア・ヴィキャンデル(ガイ・リッチー監督によるナポレオン・ソロ『コードネーム U.N.C.L.E.』メインキャスト)と注目される役者によるキャスティング。

文中、主人公の名前表記をカレブとしています(日本公開されるとなるとケイレブになるかも)
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