脚本がよく出来ていて、会話の一つ一つが面白い。
ストーリー展開も、家族を奪い合う、義理の父(ウィル・フェレル)と実父(マーク・ウォールバーグ)の攻防戦を絶妙なバランスで描いているので飽きさせない。とくにクライマックスからラストにかけてはいい意味で期待を裏切ってくれるのもお見事だ。
爆笑するような作品ではないけど、何度もクスクス笑わせてくれるハートフルコメディの佳作であろう。
ところでウィル・フェレルの面白さは「痛さ」と「発狂」である。本作では呆れるほど誠実で、実父に負けまいとがんばり過ぎて裏目に出てしまい、見苦しく発狂する義理の父の姿を見せてくれる。『タラデガ・ナイト オーバルの狼』、『俺たちフィギュアスケーター』などのキチガイぶりとはまた違ったウィルも悪くない。
日本語吹き替え版のウィル・フェレルは定番声優の岩崎ひろし。まあ可もなく不可もなく。出来れば、もう一人の定番声優の山寺宏一の声で観たかった。