Yukiko

ミス・シェパードをお手本にのYukikoのレビュー・感想・評価

4.1
2017年11月3日
『ミス・シェパードをお手本に』2015年イギリス制作
監督、ニコラス・ハイトナー。

イギリスの作家アラン・ベネットさんが体験した実話。
この映画の脚本もアラン・ベネットさんが書いた。
舞台化もし、主演は舞台でも映画と同じマギー・スミスさんと
アレックス・ジェニングスさんが務める。

1970年ロンドン、カムデンタウン。
グロスター・クレセント通り23番地。
劇作家のベネット(アレックス・ジェニングス)は、
ホームレスの老婆ミス・シェパード(マギー・スミス)を
自宅の一角の駐車スペースに、彼女の車のバンを停めることを
許可する。
ミス・シェパードはそこに15年間も居つき、そして息絶える。
彼女の死の前後、語ることが少なかった彼女の過去を知る。

偏屈で頑固で汚い生活をするホームレスのミス・シェパード。
その名前も偽名だった。

ホームレスになるには、それなりの人に言えない過去が
あるのよね。
結局は「追われる身」と彼女が勘違いをし、それ故に
世間から身を隠したような生活を自ら選んでしまった。
逃げなければ良かったのに。

それ以前に、ピアノの才能があったのに残念ねぇ。
彼女の才能をもっと伸ばすような環境であったなら。

日本でホームレスが一番多いのが大阪府とか。
2位は神奈川県、3位は東京都。
働きたいのに仕方なくホームレスなのであれば、
助ける支援団体はある。
が、働きたくない、自由がいい、ベンチで寝ていたい、
気まぐれで働くのがいい…の場合、支援をしようがない。
自由の代償も大きいと思う。
ホームレスであっても、同じ人間、一人の大切な命だ
とも思う。

マギー・スミスさんが憎らしいほどはまっている。
演技達者だ。
Yukiko

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