オレンチ

殺されたミンジュのオレンチのレビュー・感想・評価

殺されたミンジュ(2014年製作の映画)
3.5
キム・ギドク監督作品の中でも、かなり難解な作品だと思う。

この作品において"なぜ殺したのか"は単なるマクガフィンに過ぎず、重要なのはそれぞれのロール"役割"。

シェイクスピアの言う、「この世は舞台で、人はみな役者である」という"世界劇場の思想"を映画化したような作品だった。

ミンジュのために立ち上がった自警団のような集団が毎回異なる組織に扮する点や、キム・ヨンミンがわざわざ1人で8役を演じている点からも"世界劇場の思想"が想起できる。

彼らが演じるのは韓国の社会問題そのもので、文字通り俯瞰的に韓国の街並みを見下ろすシーンがそれを物語っている。