日本ではそこまで大したニュースにしなかったNSAによる世界規模の通信傍受が公になった事件について、内部告発者であるエドワード・スノーデンとその告発の一部始終を辿ったドキュメンタリー。
事実を並べるだけであれば、ニュースで十分だろうという内容。しかし、告発前からスノーデンに密着した映像は、彼がどんな心境で告発に踏み切ったのか、そして実際にCNNで報道されているそのニュースと共に、彼の行っていることがどれだけ重大なのかを直に教えてくれる。
"今まさに自分が世界を変えている"という生きた感覚。到底ありふれているはずもなく、流石に他の映画では感じられない。しかも、これを可能にしているのはおそらくドキュメンタリーの核心に近いところだ。リアルに起きていることを追体験する興奮、まるで他人事でない。何にせよ、これを映画という形に出来ているのはなかなか大した事じゃないだろうか。個人的には非常に珍しいドキュメンタリーの形だと思う。
有数のドキュメンタリー映画として一見の価値あり。
