みとも

バケモノの子のみとものレビュー・感想・評価

バケモノの子(2015年製作の映画)
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 キャラクターの性格や設定を台詞で言い切ってしまうのみならず、敵役が自分自身のネガでそれはメルヴィルの『白鯨』で対峙する鯨に自己を投影することと同じ、ゆえに敵役が鯨の姿で登場、みたいなコンセプトの前傾化によって、何か企画書読んでるみたいなアニメ。彼もまたパターナリズムの被害者って感じもするんで彼の側にも救いがあったからよかったけど、人間の「心の闇」が胸の部分に空いた穴として表現されるのは正直つまらない。でももはや「言葉に頼らずに映像で語る」みたいな映画観の方がとっくに古臭いものになってんのかなって気もする。ゴチャゴチャ言ったけどでも面白かったです。
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