原作既読、公開時見逃したのをAmazonで。見てて小っ恥ずかしくなる瞬間があるんだけど多分それは俺の捻くれた見方の方が間違ってるからです。最も主人公的な葛藤を持ってるのが松岡茉優なのでこの映画の主人公は松岡茉優演じる栄伝さん。鈴鹿央士(この時点では新人)はもちろんすごく良かったけど、本人がカリスマというよりはその奏でる音によって周囲の演奏者こそが音を奏で返す起爆剤であるというカリスマ性がもう少し分かりやすければよいのだろうけど。コンテストの結果はこの映画では重要じゃないと思うし、文字による情報の提示という観点ではやはり小説には勝てないよ。夜ピアノ工房に向かう松岡や海辺の場面のロングショットにこそ音のある「世界」が描かれ得るのかな、と。
