たな

バケモノの子のたなのネタバレレビュー・内容・結末

バケモノの子(2015年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

憂鬱になる

個人的にですが、観終わった後に「世界って、生きるっていいことだよな」とポジティブになれる映画が好きです。
これは真逆の効果があり、憂鬱になります。

酷い世界を描くのはいいのですが、ただ酷いというアイコンのみで実態がなく、主人公がバケモノの世界に行くための設定にしか見えません。
ヒロインを主人公に出会わせるためだけのいじめ。主人公のための敵キャラ。
主要人物を輝かせるためだけのコマに見えて、そんな悪意に満ちた世界に寒気を覚えます。夢も希望もありません。
酷い現実でも、自分に置き換えて、ヒーローはこう頑張ったし、こう見方を変えた!僕も明日から頑張ろう!みたいな気持ちにさせてくれず、観る側が入り込む余地がありません。
主人公がどういう性格なのかいまいち読み取れないのも入り込めない所だと思います。あと後半は主人公に代わり、育て親の物語にスライドし呆然とします。

ヒロインは、友達いない系女子です。
周りの世界全てを拒絶し、そこから救いだしてくれるたった一人の王子様に出会います。
踏ん張って、ちゃんと現実を生きている、一人でいいので友達のいる子の方が僕は好きです。これは個人の好みですね。

なんでもかんでも台詞で説明され、挙げ句に説教されて、この世界は主人公たちしか輝けないと見せつけられ映画は終了します。
テレビの前の僕は憂鬱になります。明日も仕事です。
たな

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