Amber

怒りのAmberのレビュー・感想・評価

怒り(2016年製作の映画)
4.0
観直したので、再掲します。

八王子殺人事件の犯人に似ている3人の男をめぐる物語。

風俗で働いていた娘愛子(宮崎あおい)を連れ戻した洋平(渡辺謙)は、ここ数ヶ月雇っていて、身元がはっきりしない田代(松山ケンイチ)と愛子が親しくなることに戸惑いを覚える。

藤田優馬(妻夫木聡)と大西直人(綾野剛)はゲイの集まる場所で出会い、そのあと一緒に住むように。
直人は優馬のホスピスにいる母にも優しく、二人の仲は深まっていくが、八王子殺人事件の犯人と、顔にあるホクロが似ていることから、優馬は直人のことを疑いはじめ…。

沖縄では、いずみ(広瀬すず)と辰也が遊びに行った離島に田中(森山未来)が住み着いており、二人と仲良くなった田中は辰也の実家の旅館を手伝い始める。
いずみがある事件に巻き込まれ、いずみの助けになりたい辰也と、辰也に理解を示す田中。
しかし田中はある行動に出て…。

人を信じるって本当に難しい。
直人と優馬はあのまま、楽しく時を過ごして欲しかった。
母を亡くした優馬の唯一の心の支えだったのに。優馬は世間体を気にするあまり、直人の力になりきれず、後悔してもしきれない気持ちをこの後の人生で抱えて生きていくんだな。
倒れていた公園って、優馬の家の側の公園かしら…。切なすぎる。

観ていて、誰も犯人じゃなければいいのにと願うけれど、やはり犯人はこの中にいて、人間の業の深さにやるせなくなります。
原作の吉田修一さんの作品は、『悪人』『楽園』などこのような気持ちにさせられるものが多く、すごいなといつも思います。
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