Amber

哀れなるものたちのAmberのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.4
これはどうしても映画館で観たいと思い、ギリギリ滑り込み!
ヨルゴスランティモス監督の世界観に度肝を抜かれました。

「女王陛下のお気に入り」でも印象的だった、魚眼レンズや不協和音、グロテスクな描写は顕在。
今回は、ベラ(エマストーン)の意識が覚醒する前とその後に分けてモノクロとカラー、そしてファンタジーのような要素が織り込まれていて、夢中になりました。

エマストーンは、アカデミー主演女優賞に本当に相応しい熱演でした。(そして身体張りすぎ。)
ベラが生まれたての好奇心旺盛で、欲求のままに行動するところ、性に目覚めて快楽を追求するところ、そして知性に目覚めて思考を深めていくところ、全て素晴らしかったです。

ベラを取りまく男性たちは、父親的存在ゴッド(ウィレムデフォー)、優等生で優しい理想的な恋人マックス(ラミーユセフ)、ベラを初めて外の世界に連れ出すプレイボーイのダンカン(マークラファロ)、豪華客船で出会った常識人ハリー(ジェロッドカーマイケル)、モラハラで狂気的な軍人の、ベラの前身の元夫アルフィー(クリストファーアボット)。
彼らは、男性のステレオタイプの象徴なのかもしれないですが、好奇心には勝てないベラが、目まぐるしく色々経験していく様は、女性のあるあるのようで、印象的でした。
男性側が、ベラに関わってそれぞれ変化していく様子もとても興味深かったです。

そしてベラの衣装。
とにかく肩口がボリューミーに膨らんだ袖が特徴的で、そういったトップスにミニスカートを合わせるとベラのまっすぐで細い脚を強調することに。
成長してからのブラックの落ち着いた装いも素敵で、楽しめました。
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