Amber

私というパズルのAmberのレビュー・感想・評価

私というパズル(2020年製作の映画)
3.9
キャリアウーマンのマーサ(ヴァネッサカービー)は、建設現場の作業員の夫との間の子供を妊娠し、自宅出産を希望したが、当日頼んでいた助産師が来られず代理の助産師にお産を任せることになり、結果産まれてすぐに子供は冷たくなってしまった。

夫や家族や周囲に心を閉ざすマーサ。

その後、夫(シャイアラブーフ←エンドロールで気づきました…)母親は助産師を訴えることを検討するが、マーサは乗り気ではない。

仕事を辞め、夫との関係も冷え切ってしまう。

それでもいつしか少し前を向くことができるようになるまでを、マーサと周りの人の様子を6週間単位で追いかけていく。

苦しむマーサに、『あなたの気持ちをぶつけないと前に進めない』という母親のアドバイスは、効果があると思いました。
それが助産師に対してなのかは別として、タイミングが来たら気持ちを整理して前に進むことは避けて通れない。
当時だって、結局、どうすればよかったかはわからない。
自宅で出産したいという希望があったから、病院で産んでいれば対処できたかもしれないけど、病院で産んでいても亡くなったかもしれない。

わずかながら娘と一緒に過ごした時の、写真を現像することで、確かに幸せな時があったことを思い出すマーサ。
裁判で、助産師に『あなたは悪くない』と言い、半年ぶりの笑顔を見せる。
マーサに希望をくれたのは、ほんの僅かな子供との幸せな時間を思い出したこと。

自分の身体を痛めて出産する女性と、そうではない男性の間にはどうしてもギャップがあることがあらわになるところが辛かったです…。
こんな辛いことがあったし、性欲が戻るタイミング合わないのは無理もないことでしょう…。

ヴァネッサカービーの熱演が素晴らしかったです。
Amber

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