マルメラ

信長協奏曲のマルメラのレビュー・感想・評価

信長協奏曲(2015年製作の映画)
2.5

原作未読。
ドラマ版は全て鑑賞済み。

歴史知識に関して。
三郎君と同じくらい歴史に疎いです。
本能寺の変は知ってる。
明智光秀が信長を殺すのも知ってる。
光秀を秀吉が討伐するのも知ってる。
細かい戦いは知らない笑
そのレベル。
だって、理系だもん笑っていう言い訳をしておきます。
こういう状態で鑑賞。

まず!!
何故この時期にこのレビューをしているのかというと。
①フジテレビの儲け話に乗りたくなかったので劇場にいかなかった。
②ストーリーが何となく読めていた。
この2つが理由です。

そして、感想は。
フジテレビの儲け話に乗らなくて良かったと思った笑

まずキャスト陣から。
役者陣も良い面と悪い面が。
良い面は山田孝之と古田新太。
この2人が出てることで作品に重みが出てます。

悪い面は水原希子かなー。
進撃は暗い感じの役だったから、演技の下手さが露呈しなかったんですけど。
今回の役はペラッペラの演技に見えて笑
何せ柴咲コウと小栗旬としか絡まないので、このベテラン2人と演技させると酷さが露骨に出てしまう。
まぁ、あとジャニーズの彼とかも笑

意外と向井理も。
高嶋兄?弟?とかと演技させるとまだまだレベルが低いなぁ〜って思わざるを得ない。

では中身に。

そもそも、ドラマ版の続きですよ〜っていう所からのスタートなので。
1つの映画として語るのは難しいです。
何故なら、普通なら起承転結があって。
起で登場人物の説明とか。
主人公の目的とかを示すのに対して、ドラマ版の続きなので、そこをすっ飛ばして承の終盤から始めている。
つまりはこの映画は承・転・結の構成。
良い所取りなんです。

それを前提に話していきます。

まず、本願寺の戦い?的なやつ。
あそこは良かったかな〜。
承から始めるだけあって、いきなり見せ場!!!
死ぬ覚悟で助けに行くぜ!!的な少年ジャンプ的展開も楽しめたし。
先陣切ってくる信長の格好良さも際立ってました。
光秀の改心も、その後の葛藤に繋がっていて良い。

ただし!!
おい三郎。
お前Mr.平和主義だろ?
バッサバッサ人切ってましたけど。
ウェズリー・スナイプスのBRADE並みに。
セガールの沈黙シリーズ並みに。
いつから、そんな人間変わった??

ここが惜しいところかなと。
Mr.平和人間が人を殺すことへの葛藤を描くべきかなと。
自分がやらなきゃ仲間がやられる!みたいな。
そうすることで、最後の光秀との戦いにも厚みが増すかなと。

ここから代案です。
冒頭。
平和主義者信長が、本願寺の戦いに行かざるを得なくなる。
しかし、兵は3000。頼れる家臣はつねちゃんのみ。
自らも戦いに参加しなきゃいけない。
仲間を殺されるなら敵を殺す!
という覚悟で戦に臨む。
平和を望んだ男が、人を殺すことでしか平和は来ないと序盤で思うように。

中盤。
人を殺すことで平和を創る主義に変わった信長は、本願寺を制した後、また各地へ兵を送り込む。
その際に誰か大事な人が死ぬことで、信長の中に憎しみの感情を作っておくんです。

終盤。
光秀軍vs秀吉軍。
信長は嫁さんと逃亡しようとするが、立ち止まる。
自分がここで死ななきゃ、光秀軍は全滅する。
また、自分が生き残れば今度は秀吉軍が憎しみの対象に。
自分が生き残ることに本当に意味があるのか。
自分が死んでも代わりはいる。仲間が同じ意思を持ってくれてるはず。
憎しみの連鎖を断ち切るために死にに行く。
自分が光秀として死ねば憎しみの連鎖は断ち切られ、秀吉が改心さえしてくれたら、もう天下統一は目の前。
平和な世の中が来るはずだと。
それが嫁さんも家臣達も死んでいった足軽兵達も望んでいることだろうと。

つまりは、冒頭で人を殺すことでしか平和は来ないと考えた信長が、自分が死ぬことで憎しみの連鎖を断ち切ることで平和を創るという思考に変化する。
これってすごく現代的かつ日本的だと思うんです。
日本は敗戦国であるが、原爆を落としたアメリカを憎むのを断ち切り、平和を創りあげた。
まぁ、これにはGHQの策略とか色々あるんですが。外側だけ見ればそういうことかと。

一応、この映画のテーマは「憎んでも幸せにならないよ」でしょ笑
小栗ちゃんが最後に演説されてましたのでテーマはこれでまず間違いない。
まぁ、台詞でテーマを語らすことほどダサイことは無いんですけど。

「憎んでも幸せにならない」がテーマなら、これを主人公が体現しないと!!
そして、変化で語らせないと!!

さて、どうでしょう。
こう考えると、
この映画の魅力って、キャストの一部と。
歴史は改変できるのかっていう所と。
本能寺の変来ちゃうよーっていうサスペンス的な要素。
くらいじゃないすか?

確かに、退屈せずには見れました。
でもねぇー。これならテレビスペシャルで良かったんじゃね?と思ってしまうのも事実。
これがテレビスペシャルなら、おぉー、金かけたねぇー。
たまにはやるじゃん!フジテレビ!ってなったのに笑

あと、オチに関して。
現代に戻った三郎。
死ぬと戻るんだね笑

古田新太捕まっとるし笑
いやいや、あんた脇腹切られて死ぬ寸前だったやん。
またヤクザしてんすか?笑

っていうか、三郎君高校生だったんでしょ?
スーツ置いてあって、就職してるチックでしたけど。
時間はどうなったの?
向こうで経過した時間は、こっちでも経過してるの?とドウデモイイこと考えたり。

ビデオメッセージというベタ展開にも少し萎えた笑

代案行きまーす。
タイムスリップした直後に戻ってきた三郎。
時は流れて、大学入試。
日本史のテスト。
みんなのことを思い出しながら笑顔で解く三郎。
記述テスト。
ここで、信長だからこそ知ってる歴史的事実を解答するとかね。
つねちゃんは良い奴とか。柴田勝家は泣いてまで出世しようとしたとか。
サル君は憎しみに囚われていた悲しいやつとか。
光秀はお月様とか。

さらに加えると、例えば安土城でみんなと酒を酌み交わすシーンで、何か横槍が入って酒を飲めないまま話が進む。
エンドロールでみんなのお墓や、死んだ場所。
思い出の場所を巡り酒を飲むとかさ。
墓の前に置かれたお猪口でそれを示すとかさ。

代案2。
タイムスリップした直後に戻ってきた三郎。
学校をサボって遺跡博物館的な所に行く。
事実を知っていた嫁さんとつねちゃんが、未来の三郎にあてた手紙を泣きながら読む。
とかね。
嫁さんが出陣前に言った台詞をカットしておいて、そこに回すんですよ。
お主と私は夫婦だろ?的なやつ。
大オチとして、最初に書いていた肖像画が飾ってあり、「誰だよ!」でエンドロールに入る。

どうっすか?
ビデオメッセージより良い気がするんですが笑
自画自賛?
それとも勘違い?

さて、相変わらずですが、長々と書きました。
最後まで読まれた方、辛抱強いですね笑

あっ、ミスチル良かったです。
m-floのサントラも良かったです。
マルメラ

マルメラ