チョマサ

無垢の祈りのチョマサのネタバレレビュー・内容・結末

無垢の祈り(2015年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

主役の福田美姫さんは、よくこんなにひどい目に遭う役を演じようと思ったな、と見ていてずっと思ってた。すごい。お父さんを演じたBBゴロ―さんも、ほんとこういう親父をうまく演じてて、芸人さんとは思わなかった。

ありそうなレベルの底辺環境や、工場の風景に灰色の空が、嫌な雰囲気を醸し出してくるし、起きることも虐待やいじめや解体シーンや誰かの首つりシーンと、見ていて辛い場面ばかりなんだけど、それが一転して、床への落書きや刑事二人と会うシーン、そしてラストの殺人犯へのお願いと、悲しい物語になるのが、見ていておどろいた。『少女には向かない職業』みたいな話だったな。さすがに人形を使わないと、あのシーンは撮れないか。

自主製作でも、ここまでやる映画はないよな。だから、カメラもそんなにいい機材じゃなさそうだし、録音もそんなによくない。冒頭とか聞きづらい。それがいい方に影響してるところもあって、車の通りすぎる音や蝉の鳴き声や、音の潰れ具合が、余計に凄惨さを引き立ててもいた。

平山夢明先生が原作の映画で、先生が刑事として出てるのも驚いたんだけど、キチガイについて語るシーンで、(ラジオでの言動を知ってたから)あんたがいちばんキチガイじゃねえかなとちょっと笑ってしまった。あと映画が終わった後に、スタッフとキャストの挨拶映像が流れて、そこにペコイチさんも登場して驚いた。ガベージコレクションをまた再開しないかな。
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