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ジェーン・オースティンのエマのmiumiuのレビュー・感想・評価

4.8
英国を代表する悪役イメージの強いマーク・ストロングがジェーン・オースティンものの完全なる善玉、しかも王子様役ポジション! という珍しい作品。(ということで鑑賞。当時は悪役ではなかったんですね。)テレビ映画だそう。
主人公のエマ役はケイト・ベッキンセイルです。

とっても可愛らしいラブストーリーで大好きな作品!
しかし原作必読。原作の文章だとクセのある人物だらけで特徴がつかみやすく、関係の把握も容易。
が、映像だと100分ちょっとに凝縮しているからこれだけだと人物を覚えるのが難しいかと。

ストーリーは、美しくお金持ちで自身は独身主義のお嬢様エマが、妄想たくましく周囲の縁結びに乗り出すがことごとく失敗。
周りに迷惑かけまくり。
エマの勘違いっぷりが笑えます。

エマを見守り、悪い点があれば容赦なく叱る年上の友人ナイトリー氏がマーク・ストロング。
エマが成長するにつれてナイトリー氏が素敵に見えてくる…という設定なのでしょうが。
真面目で誠実なキャラクター設定なうえに顔面が非常に整ったマーク・ストロング(30代だけど顔は今と同じ)なので、普通に最初から素敵です。(ただし額は後退している。 ※鬘です。)
あと、年の差カップルですが、この二人だと嫌らしくない。お互いに異性として意識しあうとき「兄と妹ではないから」と言い合うのが素敵。

エマの父親や、エマと良い雰囲気になる青年フランク・チャーチル、エマが縁結びしようと奮闘するハリエット、対抗意識を燃やすジェインもイメージぴったりでした。

原作も含め、ナイトリー氏が素敵すぎる。
大地主の余裕や年齢的に大人ということもあるのでしょうが、
他の男性陣が女性の財産や美貌に惹かれているのに対し、ナイトリーは欠点があってもエマ一筋なうえに悪いところは全力で説教して正してくれるという。
少女マンガ設定のオースティン作品、普通はヒロインに共感するのでしょうが、これに関しては
「ナイトリー、報われて良かったね!」でした。

マーク・ストロング氏のみどころとしては、
・悪人じゃない。(ライバルを狙撃したり殴打したりしません。)
・あの渋いお声で本気の説教。(素敵です。)
・好きな女の子にもそれ以外の人にも、率直で誠実で公正。ピクニックでは若い美女じゃなく善良なおばさまに腕を貸してあげる善人っぷり。
・甥っ子と楽しそうに戯れるマーク・ストロング。
・舞踏会で踊るマーク・ストロング。
・好きな女の子(エマ)を見つめて瞳をキラキラさせるマーク・ストロング。

グウィネス・パルトロウがエマを演じた映画版もぜひ観てみたいです!
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