カッシー

クリード チャンプを継ぐ男のカッシーのレビュー・感想・評価

4.5
格闘技を描いた映画って試合シーンがものすごくアガる分、どうしても人間ドラマ部分が退屈に感じてしまいがちな気がしてて…
ウォーリアーは試合の場面の迫力が凄まじくてしかもその死闘の先にあるドラマに感動できたから大好き!ザ・ファイターは試合の描き方はぬるいし主人公を取り巻く人物はクズばっかでウザくて正直嫌い!みたいな感じでこの手の映画って当たりハズレがあって今作もなかなか手を出せないでいたんですよ。

というわけでやっと鑑賞できた今作。
評判通りの激アツな作品でした!

メインの2人がとにかく最高!

まずはスタローン。エクスペンダブルズシリーズの裏話とか聞いてると人としてめっちゃナイスガイらしくて彼が出てるだけで好印象なんですけど演技も素晴らしかった。チームクリードの"家族感"を描くうえで最も重要な部分を好演していました。
そしてマイケル・B・ジョーダンの演技と役作り!クロニクルで演技力は証明済みでしたがボクサーとしての体づくりがハンパない。ハリウッドスターにありがちな"筋肉のための筋肉"ではなく"戦うための筋肉"は圧巻。闘志むき出しの殴り合いは迫力満点です。アドニスの"2人で戦おうや"のセリフにはやられてしまいましたね。

なによりすごいと思ったのがアドニスの初戦の2ラウンド長回し撮影。どうも自分は長回しの格闘シーンが大好物らしい。
ちょっと話が逸れますけど最近Netflixのデアデビルにハマってまして、そこでもワンカット長回しのアクションシークエンスがあり超盛り上がるんですけど今作でも試合の手に汗握る緊迫感が伝わってくる最高の試合シーンになっていました。
監督のライアン・クーグラーはマーベル作品のブラックパンサーの監督にも決まっているのでブラックパンサー特有の格闘スタイルをじっくり長回しで見せてくれないかと今から期待しまくりです。

そしてラストのコンラン戦の熱さといったらもうヤバい。お恥ずかしながらアドニスが初めてまともにパンチを決めた第二ラウンドでもうすでに泣いてしまってましてその後の一進一退の攻防に声を出して応援してしまいした。ダウンを奪われ絶体絶命の大ピンチにロッキーが、ビアンカが、メアリーアンが"立ち上がれ!"と叫ぶ。そしてその先の走馬灯が…もうここで涙腺大決壊です。
こんなに応援したくなる映画は久しぶり!

実はロッキーシリーズノータッチで臨んだ今作。過去作へのオマージュがあったりはもちろん過去作を観てないと登場人物が飲み込みづらいというのは否めなかったのでしっかりとシリーズ作品を観てまた今作をフルに楽しみたいと思います。
カッシー

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