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エイリアン:コヴェナントのGreenTのレビュー・感想・評価

エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)
4.5
これはめちゃくちゃ面白かった!

オープニングは『プロメテウス』で一体誰だか分からなかったガイ・ピアースがメイクなしで登場、自分が制作したアンドロイド(マイケル・ファスベンダー)をテストしている?

やっぱファスベンダーいいわ。動きが微妙に機械だったり、喋りが堅苦しかったり、この人すっごい上手くない?お茶入れるところなんて、途中で一瞬止まったりして、機械っぽい!

自分の横にお茶があるのに、向こう側にいるアンドロイドをわざわざ呼んで「お茶を煎れろ」って命令するウェイランド。そりゃデヴィッドも人間嫌いになりますわな。

で、唐突に舞台は『プロメテウス』から11年後。コヴェナントという植民船にダメージが出て、アンドロイドのウォルター(マイケル・ファスベンダー)が人間の乗組員を凍眠から目覚めさせるのですが、キャプテンのブランソンは凍眠のカプセルの中で火災が起こって黒焦げになっちゃう。

その奥さんのダニエルズって人が、旦那を思い出すシーンで「あれ?これジェームズ・フランコ?」って思っちゃうくらい意外なキャスティング。このシーン以降ジェームズ・フランコは全く出てこない。

なんか監督怒らせて端役にされたとか?それともちょっとだけ出て高額のギャラがもらえたのかな。

今回の宇宙船コヴェナントは、「植民船」って設定で、なに、人間は他の惑星に植民するんだ。だからなのか、乗組員がみんな夫婦なんだよね。なんかどーも人類は地球に住めなくて?他の星を探しているらしい。これも『ブレード・ランナー』ぽいよな。

そこでまたお決まりの「謎の交信」を受けるコヴェナント。今回は『カントリー・ロード』という曲を歌っている。「家に帰りたいよ〜」って歌であるのはそうだけど、設定2104年で『カントリー・ロード』か〜。もっと新しい曲ないのかな?と思った。まあいい曲は何百年も受け継がれるのかもしんないけど・・・。

でまた行かなきゃいいのにこの「謎の惑星」に降りるのだが、ヘルメットをしていないのが解せない。空気あるとかそういう設定なんだろうけど、武器持っていくくらい警戒しているのなら、頭を守るヘルメットしないのかな。それにやっぱどんなところなのかも分からないのに・・・って思ってたら大気からヴァイルスに感染する。

これに感染して、体内にエイリアンが出来て、チェストバスターとして生まれてきちゃうんだけど、それで死んだクルーの一人はゲイだったみたいで、男の人が手を握って「アイラブユー」とか言ってる。これもカップルで植民するって設定の一部なんだろうか?面白い発想。カップルで、って言うのは、子孫を増やすためだと思うんだけど。『ポリコレ』ですかね?

この危機を救ってくれるのが、『プロメテウス』でDr. ショウと共にこの惑星に来たアンドロイドのデヴィッドで、これもマイケル・ファスベンダーが演じている。旧型デヴィッドと、新型ウォルター、2役!うわ〜、これ一粒で2度おいしいってヤツですか!

デヴィッドがウォルターに尺八を教える(爆)シーンがもう。

デヴィッドとウォルターが戦うシーンもいいわ〜。

フェイスハガーに寄生されたあと気を失っている人間に、うんこ座りして小石を投げつけるファスベンダーめっちゃ笑う。

本当にこの人面白いよなあ。iMDbによると、最後の方のシーンで、「ヒトラーのキック(あの大げさな敬礼のこと?)」をやるって案をファスベンダーが出したらしいんだけど、あまりにもコミカル過ぎて止めたんだって。やっぱこの人ユーモアのセンスある!

お話としては、やっぱりどー考えてもコレ『ブレード・ランナー』でしょ、『エイリアン』と言うより。リドリー・スコットの頭の中でこの2つがごっちゃになってるんじゃないの。

それとやっぱ、『エイリアン』の最初から、アンドロイドの存在が一番面白いよね。ここが一番膨らんで行っちゃうのはしょうがないと思う。

どうも、ファンの間ではエイリアンの変態や、違うタイプのエイリアンとか、そっちを楽しんでいる人も多いようなんだけど、ワタシ的にはやっぱああいう「クリーチャー」はもうどうでも良くて、この「人間に背くアンドロイド」のキャラがすごい面白い。

でもコレ、マイケル・ファスベンダーだからだなあと思う。この人がこの映画の価値を完全に引き上げているなあと。そもそもアンドロイドがどういうものか?って解釈が素晴らしかったのに、その上「デヴィッド」と「ウォルター」の演じ分けがパーフェクトだと思う。

でも今回の「女ヒーロー」ダニエルズは、なんか可愛らしくてイマイチ。どーしてもオリジナルのリプリーがカッコ良すぎる。なんでだろ?って思ったら、リプリーって男っぽいというか、中性的じゃないですか。そこが魅力なんだなあと。

私って、ロックスターは「女みたいな男」が好きだし、中性的な人って魅力的だなあと思う。そう思うと、今流行りの「ジェンダーってのは流動的」って解る気がする。

あとですね、今回、テネシー・ファリスってキャラがいて、ダニー・マクブライドってコメディアンが演じているんだけど、カウボーイ・ハットかぶってがさつな感じのキャラ、こういう人ってだいたい早いうちに死ぬじゃないですか?この人が最後まで生き残るってのがちょっと意表を突かれた。

なんかそういう、小さい工夫が面白かった。あ、あと、映像が素晴らしい!宇宙空間のCGとかすっごいキレイだし、惑星のセット(CGか?)が『グラディエイター』か!とか『ロード・オブ・ザ・リングス』か!ってツッコんじゃたくらい、壮大で想像力溢れるセット。

なんだけど、総体的なお話としては色々疑問は尽きない。コメント欄で!

追記:マイケル・ファスベンダーにドハマりしているので、『エイリアン:コヴェナント』を再見!していました。ウォルター/デヴィッド2役がすっごい衝撃だったけど、今回観たら、『プロメテウス』のデヴィッドの方が好きだなあと思った。けど、コヴェナントは、映像がすばらしい。何度観ても鳥肌が立つ。あと、ヒロインのダニエルズ、最初はイマイチだったけど、何度も観ると結構好きになって来る。ブルーレイ買って良かった。
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