雨丘もびり

エイリアン:コヴェナントの雨丘もびりのレビュー・感想・評価

エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)
4.5
あらっ。とーっても面白かった(・・)。
プロメテウスは世界観の説明だったけど、こちらはキャラクタのドラマだったので、すごく入り込めました。

アンドロイド=デヴィッドの思考回路を辿る旅、神秘的でした。
機械人間たる彼が、"何も生み出せない"というコンプレックスを乗り越える計画。
大胆でおぞましく、美しい。レクター博士に診断してもらいたいなー。どんな対話になるんだろ。

異種族(alien)の"愛のかたち"って、こわい。
本作で意味するエイリアンって、あいつのことなのかも。
けっこう惚れっぽくて、純でキュートなのねw。
でも彼には好かれたくないな。。。

「オジマンディアスの作者は?」「バイロンだ」「シェリーだよ」
出た~!レマン湖の怪談サークルw。
生命創造の不気味さに酔う男たち、出産の不条理にひとり向き合った女。
この映画も"フランケンシュタイン"の模造品、と考えると二重に味わい深いです。

「ひとつ音が外れると、交響曲全体がぶち壊しになる」
これ、演奏を享受する側の論理。
実際は、ほころびがあっても十二分に機能し、人間に寄生・操作することで永遠に生き続けるのが音楽の恐ろしさ。
完璧ってモロいですから。
被造物=恩恵を受けるだけの虚しさにあえぐ機械人間だからこそ、この台詞が哀しみを帯びる。うんうん、沁みた。



コヴェナント号は、ツッコミ待ちのボケ集団で大変w。
・・・たぶん、ああいう植民船をたくさん飛ばしてて、その中でも、あんま期待されてない一隻なんだろーねw。
マザーコンピュータも、そんなにお金かかってなさそうな使えなさ。アンタそんくらい自分で畳みなよ(^^;)。

船長ポジションの人をないがしろにしすぎな船内ルールもダメダメすぎる~。船長だけ燃えちゃったり、船降りちゃったりw。
っていうか、そんな磁気嵐ひどい星とわかった時点でテラフォーム諦めなさいな。ユンボでどーにかできるレベルじゃねーべよw。
「もうカプセルで冬眠するのは嫌だ」っていう恐怖心はわかるけど、替わりばんこにコールドスリープして見張り人員増やせば良くね?
みんなで寝ちゃうからダメなんでしょうがwww。

だから、大変な目にあってても悲哀ゼロで、笑った。

あまり描きたくない人々をカラッポにしすぎちゃうのは監督の作家性?
バランスの悪さはご愛嬌。
キライじゃないよ、そういうトコ(微笑)。

うーわ、ラストすごい!!!
あそこでやっと、ダニエルズのこと好きになった。
ショウ博士も、ああいう登場の仕方が逆にエロさ爆発で惚れ直し(火照)。
おほほほほ、よき映画体験~(嬉)。