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イマジンのmiiのレビュー・感想・評価

イマジン(2012年製作の映画)
3.9
リスボンの視覚障害者施設に教師として赴任してきたイアン。
彼自身も盲目ですが 杖を持ちません。
音が物に反響する事で 物の存在を確認できる 「反響定位」というものだそうです。
聴覚と嗅覚を研ぎ澄ませ
自分の身の回りの存在を確認する彼は
この方法を生徒たちにも教えようとします。

生徒たちは実際にも視覚に障害のある子供たち。
彼らは暗闇の中にいても
想像する力で 彼らの前に立ちはだかるドアを開放しようとします。

「静」の世界でした。
彼らのように耳をすますと
鳥のさえずりや 木々のそよぎ
自然界の音や光が美しく感じられるのが不思議です。
ヒーリング効果のある作品でもあると思う。

外の世界に出ると一転
車の音やクラクションの騒々しさが危険に感じて
それは 目の見えない彼らの危険でもある。

子供たちとの描写も興味深く
この物語は ラブストーリーでもあります。
生徒のひとりエヴァと2人で外の世界へ出ていき
音と香りで 街を楽しむ2人。

イアンの足音とスーツケースの音で
彼の後を追う彼女は
目の前の暗闇のドアは開かれたようでした。

バーのテラスの2人を
路面電車の中から撮るカメラが引いていく画が
これからの2人がどうなるのか?
想像が膨らむ終わり方で 素敵でした。
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