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リターン・トゥ・アースのしゃにむのレビュー・感想・評価

リターン・トゥ・アース(2014年製作の映画)
1.1
「プロ意識がNASA過ぎる」
(ペンネーム 火星ジャガイモ男爵さん)

< 2015年宇宙のごみ >
ー60億人が彼らの帰りに無関心だったー

・あらすじ↓
近未来の地球。水が貴重になり他の惑星への水資源開拓事業に注目していた。木星の衛星エウロパの淡水探索を兼ねて地球の軌道上での1000日間の宇宙ステーション訓練を行うことになる。900日目を過ぎた頃事態は急変。地球で未曾有の核戦争が勃発し地上は放射能で覆い尽くされる。帰るに帰れない4人のクルー達は限られた食料で生き延びるが…

・要約
下敷きよりも薄っぺらいドラマ。善管注意義務を余裕で怠るプロ意識0のクルー共。見どころを探しに費やす不毛な90分。いっそ大気圏で燃え尽きてくれれば良かろうなのだと何度も願った。そして考えるのをやめた…

予期せぬアクシデントのせいで宇宙ステーションに取り残された宇宙飛行士達が地球に帰ろうと奮闘するお話…と言いつつ彼らが本当に奮闘していたのかは甚だ疑問。。顔芸ありきのパッケージからゼログラビティ的なSFパニックを期待するのは禁物。どうしても感情移入が出来ない宇宙飛行士の連中が宇宙ステーションでだらだら過ごし、これといった見せ場もないまま、唐突にお涙頂戴的な芝居を始める片腹どころか両腹痛いです。

宇宙でサバイバルという似たような設定のオデッセイはきちんと描かれたドラマが裏付けとなりお涙頂戴にも素直に応じれました。対してこちらはドラマが希薄。肝心のキャラクター達はクルー同士でヤリマクルー、指揮官は自分だけ助かろうとする、私情優先脳のくせに急に科学者としての使命感に燃える…残念極まりなく共感は至難の技。ま、地球に帰りたいのはわかりますよ。ただ観客の共感を呼び寄せる工夫がお粗末過ぎてストーリーに没入出来ず淡白に観るしかないです。

→我慢知る
宇宙飛行士が宇宙ステーションに缶詰にされる作品を観るといつも思います。下世話な話その手の衝動はどう処理してるのかと。プロ意識が勝つんでしょう。ワトニーも我慢してたに違いない…ところがどっこいこの宇宙ステーションのクルーは我慢知らず。900日過ぎてテンション上がったのかジョージをおっ始めるじゃないですか。ヤリマクルー。デキたらどうすんのよ。それだけでなくお酒も飲みます。宇宙でも飲酒運転はあかんよ。

リーダー役の人もダメな人「人類で2番目に火星に降り立った男」という肩書きを持つ小言が煩い姑みたいなやつです。ワトニーの次ですね、わかります。地球に帰れなくなると分かると一気にダメ人間になります。地球に残した家族を心配して自分だけ宇宙船に乗って地球に帰ろうと抜け駆けします。クルーに見つかり失敗しますが宇宙船が切り離されてステーションが宇宙の孤島と化す。リーダーとしての自覚なさ過ぎ…人間らしいといえばそうですが。ワトニーがタフ過ぎた。

・終わりに
(悪い意味で)言うことがありません。感情移入出来るか否か。己のお人好し加減のバロメーターにするには丁度良い作品ですが下手したらバーローメーターになりそうです。
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