チョマサ

ボーダーラインのチョマサのネタバレレビュー・内容・結末

ボーダーライン(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

なんでジョン・バーンサル(ウォーキングデッドのシェーンてことは、ウルフオブウォールストリートのブラッドの人なのか。てか三角締めさんのブログを見てデアデビルもやってることを知った)は金を丸めてたゴムなんか持ってたんだろうな。いや、彼も運び屋をやってたとか受け取ってたってことなんだろうけども。

それいったらエミリーブラントはあの体で任務をこなせるのかよってことも気になるけど、野暮なんだろうな。

彼にアレハンドロが行う瞼を掴んだり耳に指を入れる拷問や輸送してきた囚人へ行っただろう水責めとか、見たことがなかったな。

ヴィルヌーヴ監督の作品は一作も見てない。でも灼熱の魂の予告と他の作品のポスターを見ると楽しい映画を作るタイプじゃないのは察せる。

それで、物語はエミリーブラントが演じるケイトが作戦を聞かされぬままメキシコに連れて行かれて、そこでの有様を体験していく、巻き込まれ型。彼女にはここでは何もすることが許されない。ただ見てるか、死なないように撃つだけ。自分で行動しようにも、それはできないとか、ぶん殴られるかだけ。
この状況にやってられないのか、煙草をまた吸い始めたり、いきなり怒りにまかせてぶん殴るといった行動に出ている。


とにかくメキシコでは捜査官たちとカルテルによってすべてが左右されていて、そこに住む人々や警官でさえも事態をどうこうできる、権限も、力も、なにも、ない。
この捜査官とカルテルの連中のどちらもやりたい放題でルール無視だから、どっちがいいのか悪いのかとか、単純に二分することもできないのがより絶望的だったな。もう悪い事しか起こってなくてずっと災害が起きてる様な感じ。戦争ってのに偽りはないな。

この映画の感覚をより伝えてるのはラストの子供たちのサッカーの試合の場面。ゴールに向けてシュートを放つと同時に、遠くから聞こえる銃声。保護者たちと子供たちは音の鳴る方に顔を向けるけど、すぐに試合を再開する。

街に起こっている異常事態になれきったせいでもあるんだろうけど、それよりもただ起こることを受け入れるしかない諦めがみんなに蔓延してるんだろうって考えもよぎった。

パンフレットには宇野維正さんや越智道雄さんがメキシコのことや監督の映画のスタイルについて書いてておもしろかった。

http://ameblo.jp/kamiyamaz/entry-12149765861.html

トンネルに突入する場面でも最後尾にいろと言われ、音楽も子の先になにがあるんだろうと興味を湧き立てる音楽ではなく、ここには嫌なものが漂っていると思わせる感じだったな。

よく考えりゃ冒頭はアリゾナでアメリカで起きたことだったんだな。それを考えるとトランプが国境に壁を築こうといった、メキシコからの危機がどれだけ迫っているかすこしは分かるかも。

あとムービーウォッチメンを聴いて極端に上から撮ったショットが多かったことを思い出した。手を洗ったりタバコをとらえたショットなど。
チョマサ

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