よもぎ

ネオン・デーモンのよもぎのレビュー・感想・評価

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)
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いや、これ好きだあ……。

美しさが全てのショービジネスの世界でモデル達は顔も身体も作り換え、絶食し、全てを捧げて役を渇望する。
そんな世界へ突如現れたのは何の犠牲も払わず、ありのままで完璧な美しさを持つ少女・ジェシー(エル・ファニング)。
真冬の世界に輝く太陽の様に、アーティスト達の視線と手放しの賛美は彼女一人に向けられる。

序盤は美しくあり続ける事に執着するモデルやアーティスト達、ショービジネスの世界で生きる人々の姿に戦慄するジェシーの目線で観ていられるんだけど、中盤からジェシー自身も美に魅せられ歪み始めるので皆こわい(小並感)

十代の少女へ周囲の大人が向ける剥き出しの賛美嫉妬羨望欲望…。
歪んでしまわない方が可笑しいとは思うけれど、誰もが憧れる美しい私(意訳)的な台詞を口走り始めた辺りでお前もか…と笑いたい気持ちになってしまった。
美に魅せられる、というより美に取り憑かれ、美に狂わされ、美に魂まで売り渡した彼女達。タイトルの通り悪魔の様な彼女達の美への執着は暴走していくー。

その行き着く先はイカれてるとしか言えないんだけど方法がアレ過ぎて……つまり、美人食ベル…美人食べテ美人ノ力手二入レル……っていうのが究極っていうことなんですね……面白い👍👍👍

そんなぶっ飛び具合もエル・ファニングを初めとするモデル達の美しく、ゾッとする程おぞましい表情も全てが癖になる、意味がよく分からないのに何度も観たいと思える、そんな映画でした。

うん、なんか好きだわぁ……。
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