マルメラ

ピンクとグレーのマルメラのレビュー・感想・評価

ピンクとグレー(2016年製作の映画)
3.0

脚本がいまいち。
ナレーション多用しすぎ。
バレンタインデー⁇にチョコを貰うジャニタレ、モテない菅田将暉。
映像で見せてるのに、わざわざ「ポールはモテて、ジョンは全然モテなかった」みたいなナレーション入れてくる。
完全に要らない。
まだ、「あいつが羨ましかった。いつも皆の中心にいるあいつをどこかで憎んでたのかもしれない」みたいな映像に見えない情報を入れるなら、まだ分かるけど。
まぁ、それでも映像で見せる努力をすべきだけど。

って思ってたら、62分経過後。
なるほどね!!
全て分かっててやってたことなのね。
と怒りが鎮まりました。

ただ、全体を通して見た時に、イマイチだなと思うところもあった。

まず、菅田将暉のキャラクター。
お前が努力してないだけだろ?とやっぱり思ってしまう程の低IQっぷり。
宇多丸師匠のラジオで監督の狙いってことが言われてましたが。
狙いが的外れすぎて笑えた。
まぁ、それもすべては中盤の仕掛けの為。
という見方も出来なくはないが。

仕掛けに関しても。
あの仕掛けを活かすのであれば、前半部で一回喧嘩するシーンはなくした方が良かったかな。
喧嘩してるけど実は演技の練習でっていうシーンが、その後の仕掛けを邪魔しているように感じた。

あと、やっぱり中盤の仕掛け以降の失速間は否めない。
終始、ゴッチへの劣等感が押し出され、自己の喪失というテーマに結びついていかない。
ブラックスワンを思わせる小林涼子の死に様を描いているのであれば、少しホラーっぽくなってもいいから、他者を演じる役者という職業ならではのアイデンティティーの喪失にフォーカスしていくのもアリだったのではないか?
自分とは何者だ?という問いかけに対して、映画内でどう決着を付けるのか。
ライターを投げ捨てるというラストは、小道具を上手く使い、それなりだったが。
カタルシスには至らない。

真相を追求するミステリーにしても良かったが。
ビデオテープ一本で暴いてしまっては、それはそれでカタルシスがない。

全体を通して、面白くなる要素は詰まっている分だけ、残念な結果に終わった印象。

だが、日本の女優で一番好きな小林涼子が出ていたという嬉しい誤算があり、もはや小林涼子でブラックスワン的な映画をやって欲しかった笑

夏帆の正常位の足上げっぷりは見事!!!
女優ですね。
アイドル女優から、ちゃんとした女優へと変貌しようとする気概を感じました。

皆が望む姿で最後まで全うしようという、ゴッチの姿は原作者のNEWSの彼とも思え、メタ的な楽しみ方もできる。
それに加えて、NEWSのメンバー脱退。
さらにはKAT-TUN。SMAPの解散など。
皆が望む姿でいることの辛さ、自分の喪失にもっとフォーカスを当てていたならば、名作になっていたかもしれない。

監督の人選ミスかな笑
マルメラ

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