このレビューはネタバレを含みます
これはこれでおもしろかった。
原作漫画、GIS/イノセンス、TVシリーズとどれもパラレルなところがあるし、この映画版も独立したものと見れば良くできてた。
スカーレット・ヨハンソンの配役も、この物語だと無理はなかった。合ってる。
GISの自分とは何かっていう鬱的なテーマを、自分の生い立ちを探るミステリに書き換えてるのは不自然じゃないけど無難な気もする。より人間的になってるな。
もともとはアジア人だったが、ハンク社によって実験台にされたために白人になったという筋書きなんだけど、書いててx-menとかサイボーグ009ぽいと思った。
テレビ版、映画版からいろいろとモチーフをまとめてて、それは見てて楽しかったんだけど、いちばん笑えたのがビートたけしだった。
吹き替えで見たのもあるけど、たけしだけヤクザみたいなのと、演技がいつもと同じで、荒巻に寄せてないから、すごく浮いてる。浮き具合が可笑しかったけど、怖い所長として出てるから物語には合ってる。少佐との関係があまり描かれてないから背景が気になる。
考えると家族愛を盛り込んでるのは、制作にドリームワークスが絡んでるからなのもあるんだろうか。
桃井かおりが出てて、母親を演じてるんだけどこの演技がよかった。外国人から見ると桃井かおりの顔はとても美人らしいけど、それがわかった気がする。
もうブレラン的な世界も、剣と魔法の世界のようなファンタジーになってしまったので、この映画にはこれからの未来を予見するような感じはしなかった。
あとGISはあの継ぎはぎのストーリーよりもあの映像と音楽がすごかったんだなと再確認できた。
シリーズ1作目なところもあるし、続編があってもいいと思うんだけど、スカヨハが異人種の役はやらないって言ったのと、競合作品が強いのもあるし、もう続編はないかも。スカヨハじゃなかったら、こんなに予算をかけて映画化できなかったと思うからもったいなかった。ポリコレだのホワイトウォッシングだのが激しい時期だったのは運がなかった。
4/14追記と推敲しました