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アイ・アム・マイケル(原題)のnntmkazuyotaroのレビュー・感想・評価

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まずはリベラルだった人が保守的(もはや保守でもない強迫観念じみた何かだけど)になっていく実例として怖かった。
たぶんいろんなパターンがあるんだろうけど、マイケルについてはもう思想でも宗教でもなんでもなくて、自分への信仰、崇拝されたい誰からも承認されたいという病だと感じた。それでも、何度も電話をかけ繋がりを確かめていたベネットのことは本当に愛していたんだろうなと思う。マイケル本人がそのことに気がついていたかはわからないけど。

マイケルの愛にも彼が変わっていないということにも、ベネットは気がついていたんだろうし助けになれなかったと感じていただろう。ベネットが感じた無力感を思うとやるせない気持ちにもなる。こういう時、マイケルのような人にわたしたちは何をしてあげられるんだろうかと考えてしまう。

マイケルがどう生きるかは本人の勝手なんだろうけど「ゲイは人格であり選択だ」という間違った認識を広めていることは、オープンリーゲイの人もそうじゃない人のことも、ゲイの存在そのものを貶めているしたくさんの人を傷つけている。
それは絶対ダメだし、思想や生き方は本人の勝手とは言ってみたもののやっぱり他者にとっていい人でいよう歴史の正しい側に立っていたいと思う気持ちを諦めて欲しくないなぁとは思う。

まだ三人で上手くいってた頃のフランコ、ザカリー、チャーリーの演技はずっと見ていたいと思うくらい多幸感があった。
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