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ソング・オブ・ザ・シー 海のうたのmayumayuのレビュー・感想・評価

3.8
お正月に娘と見たのにレビューをあげていなかったので。
セルキーは、スコットランドの民間伝承に語られる、あざらしから人間の姿に変身する神話上の種族、だそうです。アイルランドにもある。
これは、セルキーの母と人間の父との間に生まれた幼い兄と妹の話です。セルキーの母は、妹を産んだ日に謝りながら、涙を流しながら海にかえってしまう。兄は妹を恨みながら、可愛がれないまま数年経つ。父は妻を失い悲しみにくれたまま。祖母が心配のあまり兄妹を街の自分の家に連れ帰る。海辺の家に帰ろうとする兄妹。妹はセルキーで、精霊に狙われる。
アニメの色遣い、紋様のような表現が非常に美しい。キャラクターデザインが可愛らしいのですが、物語は悲しさと美しさ、嫉妬や執着心なども描かれ、やや重めです。
セルキーについてちょっぴり調べたら、母が海に帰るのは、愛がないからではなく、日本の七夕伝承のように帰らなくてはならない、帰らずにはおれない、そのようなものなのだろうと思いました。
祖母とあるキャラクターが重なるような描写もなかなかです。愛という名の、心配という名の度を超えた支配も、子どもにとっては恐怖を讃えながら捕らえにくる精霊のようなもの。
兄妹は成長し、絆を深めていきます。母と父の愛を改めて知ります。
美しいアニメでした。いっぱい涙が出ました。
真っ暗な布団の中で、iPadで2人で見たのですが、そういうのもよかったかも😊
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