mayumayu

ちょっと思い出しただけのmayumayuのレビュー・感想・評価

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)
4.5
いい映画。いい映画だなぁ。すごく、いいんじゃないか。
心の柔らかいところ、今は大事にしまってあるところをすごく刺激してくる。
主演の伊藤沙莉ちゃんと池松壮亮がとてもいい。
個人的にナイト・オン・ザ・プラネットを観た後に観て本当に良かった。
良い映画だった。

魚が鰓呼吸してるのは今ひとつわかっていなくても、東京の夜景を見て「みんな生きてんだね」って言う葉ちゃんの事が、照生は愛しくてたまらなかったに決まっているんだ。
あの映画のウィノナはあの潔さがかっこいいが、他の選択肢は全く入る余地がないと表現することもできる。人生プランがあんな風に決まっている人の方が今は少ないと思うよ、葉ちゃん。それでもみんな自立して生きていく。

相変わらずあんまり前情報入れずに観たため、誕生日を遡っていることに気づいたのが途中からだったから、もう一度観たい。

「未来に妻が来るのを待っているんです」というジュンさん。過去に遡る構成となっているため、雨の日に「ついに会えました」と言うジュンさんが、待ち続けた挙句についに再会したような気になる。

かなり、ナイト・オン・ザ・プラネット観てるとおー、となるところがあったと思う。
時計、スカウトの高岡早紀、酔っ払い3人客、葉の喫煙、などなど。

そう、昔あった事を思い出すこと、ある。私はある。あの時あっちを選んでいれば、とか思う訳じゃなくて、今は今の人生があって。
でも、思い出す。それはちょっとほろ苦かったり恥ずかしかったりしつつも大切な記憶。
今は家族がいて家事があって睡眠大事な私は、夜明けに家に帰ることは全くないが、ラスト夜明けに家に帰り着いた二人の見上げるあの空。私も見上げたことがある、あの空の色。懐かしいような切ないような、そんな気持ちになった。
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