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ロング・トレイル!のTSのレビュー・感想・評価

ロング・トレイル!(2015年製作の映画)
3.5
【自然歩道を踏破するべく…】75点
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監督:ケン・クワピス
製作国:アメリカ
ジャンル:コメディ・ドラマ
収録時間:104分
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どちらかと言うと好きな映画です。おじさん二人が北アメリカの自然歩道「アパラチアン・トレイル」を横断していくというロードムービーです。それと言って変わったことは起きないものの、自然の雄大さ、諦めない心などを再確認させてもらいました。見る人によってはグッとくるものがあると思います。

かつて世界を旅したビルは、最近の生活に物足りなさを感じ、全長3500kmのアパラチアン・トレイルに挑戦しようとする。そこで、長年の付き合いの友人カッツも参加することになり、二人の試練が始まるのだが。。

全長3500kmなんて、雄大な土地を有するアメリカだから出来ることであり、日本では不可能ですね。ビルはともかく、カッツは中年太りの体格なんでとても踏破出来なさそう。彼は途中車を借りたりなど、いわゆる楽をしようとしますが、それに対して断固拒否をするビルが良いです。自分の足で踏破してこそ意味があるのだと。これは、ウォーキングに限らず他の分野でも言えることです。例えばパズルを完成させることに関しても、他人の力を借りて完成させたら満足度はイマイチでしょう。最後まで自分の力でやる。という当たり前のことを柔らかく伝えてくれています。

ロケーションも良く、アパラチア山脈を中心として世界遺産のグレート・スモーキー山脈も登場します。彼らの話の中に「ジョン・ミューア」が出てきたのも個人的に興味深かったです。世界遺産検定の時に学習しましたが、彼はウィルダネスという概念を明かしました。自然のものは人間の手をなるべく加えない方が良いと言う考え方で、ヨセミテ国立公園などでは実践されています。

コメディ風にも仕上がっていて、彼ら二人のやり取りを見てると、最後まで頑張ってくれ!と応援したくなります。会話に下ネタが混じる箇所もあるのでR12なのだと思いますがそれ程気にはなりません。

結末は伏せますが、ロケーションと主人公たちに好感を持てたので、まずまずの作品でした。こんな自然歩道が日本にもあれば面白いなあと感じました。そう言えば、知床の自然歩道を若干歩いたことはありますが、やはり比較にならないでしょうね。。
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