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あした晴れるかのshibamikeのネタバレレビュー・内容・結末

あした晴れるか(1960年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

裕次郎が会う女性、会う女性に瞬時に惚れられ過ぎる。ガタイは良いし、頼りがいがあるし、おまけに愛嬌があって爽やかときたら反則だ。退場!

ヒロインの芦川いづみが見た目は可憐なのに中身は男勝りという、まさにオスホイホイ。浅倉南ばりの強力なヒロイン像ではなかろうか。難しい話の長台詞も、膨れっ面も、裕次郎への焼きもちも、負けん気の強い性格もすべてが彼女を魅力的に輝かせる。要するに美人は得!眼鏡は彼女の魅力をさらに引き立てた。芦川いづみって星野真理と似ている気がした。

昔の映画を観ていて得をしたな、と思うのは当時の文化や雰囲気を垣間見れること。本作でびびったのは不良達のたむろする喫茶店のど真ん中に単車があり回転しながら、排気音をヴァヴァヴァヴァヴァ!と響かせていたところ。実際にあんなのあったのだろうか?単車を乗せた回転台にはBEATと書いてあった。ダンカン!バカヤロー!
続いて芦川いづみの弟がボーリング場でアルバイトをしているのだが、アルバイトの内容にビックリ!1つのレーンの裏に1人がそれぞれ待機していて、弾かれたピンの再設置とボーリング球の返球をするのである。昔はそんなことまで手動だったのかと思った。
あとはチャームスクールなんていうものがあったのかと驚いた。キスの仕方まで学べるなんて。

序盤に写真家の裕次郎に向かって芦川いづみが今後の写真・撮影論についてバァーッと捲し立てるシーンがある。その話の中で著名な写真家の名前(確かロベール・ドアノーとか)が飛び出したりしたが、この当時写真やカメラが持て囃されていたりトレンドだったりしたのだろうか。何となくそんなことを思う。

ホステス役のせっちゃんを演じた中原早苗がチャキチャキな感じで非常に良かった。裕次郎のやる事なす事言う事、何しても笑顔で「あら、素敵ね~」と言うのが面白かった。さっき調べて知ったけどこの人が深作欣二の奥様とのことでビックリ。

映画を彩る脇役に、東野英治郎、安部徹、殿山泰司と泣く子も黙る激渋俳優のオンパレードで自分もニッコリ。

裕次郎と芦川いづみがはっきり結ばれないラストというのは何か意外だった。あー、自分も威勢良く競りの音頭をとってみたい。
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